研究課題/領域番号 |
16560499
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築構造・材料
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松尾 彰 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (90034412)
|
研究分担者 |
澤田 樹一郎 広島大学, 大学院工学研究科, 助教 (90284166)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 鉄骨建物 / 腐食 / 梁 / 高力ボルト摩擦接合部 / 耐力 / 変形能力 / 残存耐力 / 塑性変形能力 / エネルギー吸収能力 / はり / 高力ボルト接合部 / 腐食実態調査 / メインテナンス / 腐食速度 / 平均腐食度 |
研究概要 |
本研究では、瀬戸内海沿岸に建つ鉄骨建物の腐食実態調査、腐食した鉄骨立体駐車場のH形鋼梁および高力ボルト山形鋼筋違接合部の耐力と変形能力に関する載荷実験を行い、以下のことが知られた。 (1)瀬戸内海沿岸に建つ鉄骨建物の腐食実態調査:1)構造部位では露出柱脚部の腐食が激しい。2)内陸部、近海部ともに再塗装による防錆効果が認められる。3)室内部材では柱下部を中心にメインテナンス(再塗装)することで、安価で長寿命化を実現することが可能である。4)極近海部にある開放的な建物では耐火被覆を施した鉄骨部材にも腐食が進行し、見逃される可能性がある。 (2)腐食したH形鋼梁載荷実権:1)フランジの腐食後平均幅厚比が10前後のBシリーズでは降伏荷重、塑性荷重は腐食後平均板厚を用いて求めた計算値と良い対応を示した。2)腐食が激しいフランジを持つ(腐食後平均幅厚比18前後)のAシリーズでは平均板厚による降伏荷重計算値は実験値に比べやや高めの値を示し、塑性荷重計算値は実験値を大きく上回った。一方、幅厚比15.5を超える部分を無効として求めた降伏荷重は実験値を安全側に評価できた。 (3)高力ボルト山形鋼筋違接合部引張試験:1)腐食は筋違鎖部側の孔周辺(柱仕上げ材との境界付近)に集中している。2)ボルト3本の場合は腐食の少ない第一ボルトを貫通する軸部ですべて被断し、腐食の影響は見られなかった。3)ボルトが2本、1本へと減少すると外抜け破断や端抜け破断の発生が確認された。4)本研究で採用した耐力評価式によれば、外抜け破断や端抜け破断の場合腐食により最大10%程度の耐力低下となることが予測された。5)実験においてはボルトの残存軸力の違いにより耐力にばらつきが見られた。
|