研究分担者 |
竹宮 健司 首都大学東京, 都市環境学部, 准教授 (70295476)
角田 誠 首都大学東京, 都市環境学部, 准教授 (10180035)
松本 真澄 首都大学東京, 都市環境学部, 助手 (60229573)
倉斗 綾子 首都大学東京, 都市環境学部, リサーチフェロー (80381458)
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研究概要 |
本研究は既存公共建築物の長寿命化を図るとともに,公的集合住宅を中心とする地域住宅ストックの活用を視野に入れ,新規・既存の建築物について,柔軟な転用や複合化によって施設群を有効活用する地域公共施設ネットワークを構築する方法論の開拓を目指すものである.研究成果は次の通りである. 対象地域として東京都多摩市を選び,学校,庁舎などの市有の公共建築物について,建設年次,規模,構造,転用履歴,修繕・改装履歴などの項目を悉皆的に調査し,データベース化した.また,対象地域の国勢調査の人口データを町丁目等の単位でデータベース化し,それをもとに20年後までの将来人口予測を行った. 続いて,地域集会施設機能の再配置計画手法を開発した.まず,地域集会施設の整備の歴史的経緯を市の基本計画におけるコミュニティゾーンと対応付けつつ整理した.一方で,地域集会施設のなかでもコミュニティセンターに注目して,利用実態調査を行った.あわせて既往のアンケート調査からも利用実態に関するデータを抽出した.これらをもとに,コミュニティセンターの貸室の将来需要の変動を予測したところ,ホールへの需要が施設容量を超過することが判明したので,既存の小中学校にホールを追加設置する場合の最適位置を算出した. さらに,市有の公共建築物の転用可能性の定量化手法を開発した.まず室の床面積,階高,天井高といった規模指標に着目して室を分類した.これを受けて床,壁,天井の構法を詳細に分析した.この結果として,同一の名称を持った室においても諸元が大きく異なる例があることや,逆に諸元がほぼ等しい室に異なる名称がついている例も多数見られることが判明した.この分析をもとに,転用可能性を評価する基本的な考え方を提案した.
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