研究課題/領域番号 |
16560577
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
土屋 良海 新潟大学, 自然科学系, 教授 (60089836)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | Concentration fluctuations / Liquid-liquid transition / Ge-Te system / Si-Te system / Density / Sound velocity / Elemental liquid / As-Sb alloy / Ge-Te molten alloy / Specific heat / Ge-Te / Darken stability / liquis semiconductor / 国際研究者交流 / フランス |
研究概要 |
本研究補助金により、現有の高エネルギーガンマ線吸収法による密度測定システムのガンマ線検出部分を整備した。これによっていままでに発見されている最も鋭いクロスオーバー転移を示す液体Ge-Te系、これと同属の液体Si-Te系、相転移記録媒体に使用されるGSTと呼ばれている液体Ge-Sb-Te系の密度の系統的な測定を進めた。これと平行して、光交流法による比熱測定、音速の精密測定を行った。 主要な成果は ○Ge-Te液体の構造変化にかかわる熱力学応答関数(比熱、圧縮率、熱膨張率)をすべて求めた。申請者が導いた新しい熱力学恒等式(J.Phys.Condens Matter 11(1999)593)を用い構造変化によって誘起される濃度揺らぎを定量的に解析し、液体Ge_<15>Te_<85>のクロスオーバー転移が濃度揺らぎを誘起せずに進行することを初めて示した。この論文の比熱のデータはMonatshefte fur Chemie 136(2005)(TOFA2004の論文集)の表紙を飾っている。 ○Si-Te系半導体液体の構造変化とそれによって誘起される濃度揺らぎを調べた。SiとGeはと元素の周期表で同属元素であり、またTe高濃度側の共晶組成(15at.%Te)を中心とした相図は極めて類似しているにもかかわらずSi-Te系半導体液体の液体-液体転移の様相にはGe-Te系の転移と際立った相違が存在することを確認した。すなわち共晶組成で構造転移により誘起される濃度揺らぎが最も発達することを示すことができた。結果の一部は日本物理学会2007年春季大会「Si-Teの液体-液体転移、19pXF-2」(2007年3月)で発表し、論文として取りまとめ中である。 ○密度の測定結果を比熱の測定結果と音速の系統的な測定と組み合わせることによって、クロスオーバー転移を示す元素液体を探索しその元素が周期律表上で規則的に現れる傾向が存在すること初めて示すことができた。 ○海外共同研究者であるChristophe Bichara博士(CRMCN, CNRS)を招聘し研究交流を行うとともに日本物理学会第60回年次大会(2005年3月、東京理科大学)の第6領域の招待講演「Properties of molten Ge chalcogenides : ab initio molecular dynamics studies versus experiments」でこの分野の研究の現状の紹介を行った。
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