研究課題/領域番号 |
16560581
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
竹内 伸 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (60013512)
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研究分担者 |
田村 隆治 東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (50307708)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 準結晶 / 正20面体相 / メカニカルスペクトロスコピー / 内部摩擦 / フェイゾンダイナミックス / メカニカルスペクトル |
研究概要 |
準結晶中には結晶にはないフェイゾンの自由度が存在し、フォノン-フェイゾン結合により準結晶に応力を作用させるとフェイゾン緩和によって応力緩和が生じる。それを内部摩擦測定によるメカニカルスペクトロスコピーによって検出し、フェイゾンダイナミックスに関する知見を得ることが本研究の目的である。ブリッジマン法で作成した2回軸方向に成長したAl-Pd-Mn正20面体準結晶から棒状試料を切り出し、Dynamical Mechanical Analyzerを用いて高温で曲げモードの内部摩擦測定を行った。室温から900Kまでの温度範囲で5K/minの速度で昇温し、振動数は0.1,1,10,100Hzの4種類で測定した。その結果、850K付近にtanδ=0.1程度の非常に大きな緩和型内部摩擦ピークが観測された。ピークの振動数依存性から、この緩和の活性化エネルギーは5〜6eVで前指数関数因子は10^<-26〜33>sという値が得られた。ピーク幅は単一緩和のデバイピークに比べて約3倍大きかった。ピーク温度のわりに大きな活性化エネルギーと原子のジャンプ時間10^<-14>sに比べて極端に小さな前指数関数因子の値から、この緩和はいわゆる複雑緩和であることを示している。すなわち、この緩和ピークは複数の原子が共同的にジャンプすることによって生じるフェイゾン緩和であると解釈される。正20面体準結晶の内部摩擦に関するRochalとLomanによるminimal model(Phys.Rev.B 66(2002)144204)の結果を参考にすると、この実験で観測された大きな内部摩擦からフォノン-フェイゾン結合定数がフェイゾン弾性定数と同じオーダーの値であることが明らかになった。
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