研究概要 |
高機能生体材料に向けての希薄な置換型アパタイトの合成を試みた。まず,水酸化カルシウムあるいは硝酸カルシウムをCa源として用い,さらに,リン酸あるいはリン酸水素アンモニウムをP源として用いて,種々の水酸アパタイト前駆体を作製した。得られた生成物は吸引濾過の後に,凍結乾燥あるいは50℃で乾燥した後、アルミナ乳鉢で粉砕して水酸アパタイトを得た.さらに上述の高純度で微粉末の合成水酸アパタイト粉末および市販の高純度水酸アパタイトを水酸アパタイト原料として,これらに種々の濃度(それぞれ水酸アパタイトに対して100ppm,300ppm,500ppm,1000ppm,3000ppm,5000ppmの固溶添加を試み)でZnなどの硝酸塩を加えて、エタノール中で湿式混合し、アルコールをエバポレーションした。これらの種々の水酸アパタイト粉末を乾燥,粉砕後,それらを用いて金型にて成形した。その後で得られた混合粉末は800℃〜1200℃での熱処理し,Zn^<2+>を固溶した水酸アパタイト試料を作製した.同様にSrやBa、Gdを種々の濃度加えた水酸アパタイトも準備し、同様の熱処理を行った。 熱処理で合成された試料は,所定の加工後,大阪府立大学現有の装置にて粉末X線回折によりリートベルト法などにより格子定数などを決定した。添加とともにところ,格子定数に差異が認められた.さらに,透過型電子顕微鏡(TEM)により,固溶型の水酸アパタイトについて詳細な微細組織の解明を進めた.また,これらの固溶型水酸アパタイトを用いて,放射光施設にてXAFSなどのX線吸収により固溶型の水酸アパタイトを評価したところ,解析結果から,希薄置換型アパタイト中のCaのK殻の局所構造局所構造に違いが予想通り認められた。
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