研究課題/領域番号 |
16560599
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | (財)高輝度光科学研究センター |
研究代表者 |
梅咲 則正 (財)高輝度光科学研究センター, 産業利用推進室, 主席研究員 (70127190)
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研究分担者 |
大島 範和 (大鳥 範和) 新潟大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (20272859)
半田 克巳 (半田 克己) 立命館大学, SRセンター, 契約職員(専門職) (70411246)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | アルカリ土類ホウ酸ガラス / ガラス形成 / ガラス構造 / 分子動力学 / 中性子回折 / XANES / 中性子構造解析 / 分子動力学法 |
研究概要 |
本研究課題ではまず、ネットワーク構造の基本単位の挙動を明らかにする目的で、アルカリ土類系ホウ酸塩ガラスMO-B_2O_3(M : Mg, Ca, Sr, Ba)のパルス中性子回折による高分解能な構造解析を実施して、Bの周りのO配位構造である局所構造変化の解明を行った。また、超軟X線XAFS法を用いてバリウムホウ酸塩ガラスBaO-B_20_3,バリウムアルミノホウ酸塩ガラスBaO-Al_2O_3-B_2O_3、更にリチウムホウ酸塩ガラスLi_2O-B_2O_3を基準ガラスとして、Bの周りのO配位構造を解明すると同時にBaとAlの周りの局所構造を明らかにした。さらに、分子動力学シミュレーションを実施して、得られた構造モデルと構造解析の実験結果を比較することにより、アルカリ土類ホウ酸塩ガラスの短距離から中・長距離構造と、修飾酸化物であるアルカリ土類金属酸化物添加に伴うネットワーク構造の基本単位の挙動を検討した。以上の結果、中性子回折実験によって得られた金属酸化物の組成に対するN_4の挙動は、NMR実験から求められた結果よりも赤外分光実験による結果を支持することを明らかにした。この結果は分子動力学計算およびB K-edge XANES実験においても支持され、アルカリ酸化物の添加の場合は金属イオン半径に対するN_4の挙動がアルカリ土類酸化物の場合とは逆になることが確定的になった。一方、アルカリ金属ホウ酸ガラスにAl_2O_3を添加したガラス系について分子動力学計算とパルス中性子実験を行った結果から、Al_2O_3の添加によって3配位ホウ素から4配位ホウ素への転換が抑制されることが明らかになった。同様に、バリウムホウ酸塩ガラスとAl_2O_3を添加したバリウムアルミノホウ酸塩ガラスに対して行ったBおよびAl K-edge XAFS実験の結果からもAl_2O_3の添加により3配位ホウ素の4配位ホウ素への転換抑制が確認された。これらのこととAl_2O_3の添加によるガラス構造の安定化を併せて考えると、4配位ホウ素の生成を抑制することが結果的に4配位ホウ素から非架橋性3配位ホウ素へのさらなる転換を抑制し、安定なガラス形成領域の存在に大きく関わっていると結論できた。
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