研究課題/領域番号 |
16560601
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
津田 大 大阪府立大学, 工学研究科, 講師 (80217322)
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研究分担者 |
間渕 博 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (70109883)
松井 利之 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (20219372)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | TiAl基複合材料 / 反応アーク溶解 / C固溶 / 微細組織 / 圧縮強度 / 破壊靱性 / Ti_2AlC / 析出 / TiAl基合金 / 複合材料 / Ti_2AlC粒子 / マトリックス / 粒子界面 / TEM観察 / 熱処理 |
研究概要 |
反応アーク溶解法を用い、Ti、Al、Cの各粉末からγ-TiAlをマトリックスとし、炭化物セラミックスTi_2AlCが微細均一に分散したTiAl基複合材料を合成することに成功した。マトリックスの結晶粒径は、Ti-Al二元系では70〜250μmの範囲でばらつきがあるが、Cを含む場合にはほとんどの結晶粒は50μm程度と微細かつ均一なものになる。これは、燃焼反応中に形成されるTi_2AlCは高融点であるが、アーク溶解中に溶融し、その後に凝固することに起因している。固相になったTi_2AlCは周りの液相状態のTi-Al系融液(約1600℃)の凝固時に結晶化の核として働くと考えられる。このことが結晶粒の数を増加させ、粒径を微細なものにする。ここで重要なことは、高融点のTi_2AlCが溶融状態を経た後に凝固することである。通常のアーク溶解ではこれほどの高融点材料(約3000℃)の溶解は困難であるが、本プロセスは燃焼反応とアーク溶解を合体させたものであり、素粉末間に生じる反応熱がアーク熱をアシストする役目を担い、通常困難であるとされる材料の溶解を可能にしたことになる。 つぎに、反応アーク溶解中にマトリックスγ-TiAl相とともに形成されるα_2-Ti_3Al相に着目した。マトリックスの配合組成はγ-TiAlの化学量論組成であるので、Ti-Al二元系状態図によればα_2相は出現しないはずである、しかし、一般的に、溶解した後の凝固過程において、γ-TiAl相とα_2-Ti_3Al相は層状のラメラ組織を形成することが知られている。さらに、Ti-Al-C三元系状態図によれば、γ-TiAl中よりもα_2により多くのCが固溶するとされている。このため、平衡相を得るために行った焼鈍中に、非平衡に存在していたα_2相が消滅し、γ-TiAl単相に変化すること、およびα_2中に存在したCが固相反応、すなわち析出現象を起こしα_2相の跡地に新たに微細なTi_2AlC粒子が形成されることが透過電子顕微鏡観察から明確となった。これら微細に析出したTi_2AlC粒子は本複合材料の強度を増加させるばかりでなく、変形時にはクラックの伝播を分岐あるいは阻止し、破壊靱性値の著しい改善に寄与することが明らかになった。
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