研究概要 |
本研究は,個々の原子や分子を見て,測って,制御して,操作することを可能にするナノテクノロジーの新技術に直結するスマートセンシングシステムの実用化をめざし,材料表面や界面の制御,腐食防食機能を備えた耐酸化皮膜などの新分野や,水素などを用いた新しいナノプロセスの開発に繋げることを目的としていた。 平成16年度は,Al、Taなどの金属酸化薄膜を用いたエレクトロセラミックスセンサの作成と評価に関する研究を進めた。水熱電気化学法と電気炉酸化法による薄膜作成を行い,得られた薄膜の構造をSEM,EPMA,XRD,EDX,WDX等を使用して解析を行い詳細に検討した結果,非常に高感度で均質なセラミックスセンサーを合成することができた。同時に,化学反応に伴う発生ガスを直接検出・解析できる発生ガス熱分析法により、希土類酸化物を含む各種酸化物,炭酸塩等の還元プロセスの解明に関する一連の研究を行った結果、通常の熱天秤法は使用できず、高蒸気圧、化学的にも活性で反応管を破損するような金属酸化物の水素ガス還元過程の直接測定が可能となった。 平成17年度は、新しい熱分析法と1500K程度の高温まで使用できる高感度センサを組み合わせたより有効なシステムを構築した。また,高温、強度、経時変化等の維持管理の面での改良を続けて、低コストで革新的な各種の機能性材料の機能評価法に関する総合的な検討を行った。 得られた成果の一部は,平成16年度の国際会議(ICCT-2004,北京)において,「TG-DTA investigation of double oxides in the system of Pr-Nb-O」など3件の発表,および同年12月の日本金属学会・日本鉄鋼協会北陸信越支部講演会においける「Mn炭化物の酸化過程における熱分析と反応解析」と題して発表した。さらに,平成17年度の国際会議(PACRIM6,Hawaii)において,「Reduction of Carbon Dioxides Emission in the Ferrochrome Manufacturing with Aluminum」など3件として発表した。また,同年12月同上の北陸信越支部講演会において,「FeCr2O4のAl還元過程における熱分析と反応解析」として発表した。
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