研究課題/領域番号 |
16560652
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属生産工学
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
小林 武 関西大学, 工学部, 教授 (00067638)
|
研究分担者 |
丸山 徹 関西大学, 工学部, 専任講師 (80330174)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 環境調和性 / 複合化生産プロセス / 鉛フリー溶射皮膜 / 複合溶射皮膜 / 固体潤滑剤 / CaF_2 / 摩耗量 / 摩擦係数 / CaF / 磨耗量 / 自己潤滑性 |
研究概要 |
Cu-Ni系合金粉末にCaF2粉末を配合し、溶射を行って、複合溶射皮膜を形成し、その皮膜特性を評価した。さらに、この複合溶射皮膜を鋳鉄で鋳ぐるみ処理を施した場合、溶射皮膜特有のガス欠陥問題が浮上した。この問題点について種々の解決策を施した結果を一括すると次の通りである。(1)複合溶射皮膜中のCaF2は層状組織を成して均一に分散し、CaF2配合比が増加するとCaF2の面積率も増加し、CaF2面積率約6%で硬さが最も低くなることが認められた。(2)複合溶射皮膜に対してファレックス試験を行った結果、皮膜中の固体潤滑剤であるCaF2量が増加すると磨耗量は減少し、摩擦面近傍の温度が200℃以上の高温になると摩擦係数は小さくなることが認められた。(3)複合溶射皮膜には酸化物が多量に存在し、これを直接鋳鉄で鋳ぐるむと、鋳鉄中の炭素と酸化物が反応してCOガスが発生し、これがガス欠陥につながることを確認した。(4)そこで、複合溶射皮膜の上に重ねて純銅のボンドコートを溶射し、この皮膜を木炭中に詰めて脱酸処理(1023K,12hr)を施してから鋳鉄で鋳ぐるむと接合が可能になることを認めた。(5)さらに、銅パイプ(φ20mm)中に冷却用の空気を流して溶射を行うと、複合皮膜の層状組織が不明瞭になることが認められた。(6)鋳ぐるみ時に皮膜が付着している銅パイプの中心に細い銅パイプ(φ6mm)を入れ、その周囲に鋳物砂(6号)を詰めて、細いパイプ内を空冷すると、空気の冷却能が小さいことから複合皮膜が溶融して鋳鉄との界面に空洞が発生した。空気に替えて水冷すると、ボンドコート部が溶融して鋳鉄の最終凝固部に収縮が発生することを認めた。(7)複合皮膜が付着する銅パイプ(φ20mm)を内側から直接水冷すると、鋳鉄が急冷されて鋳物肉薄部が白銑化を起こすことが認められた。
|