研究課題/領域番号 |
16560685
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物機能・バイオプロセス
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
酒井 清孝 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00063727)
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研究分担者 |
小堀 深 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (70329093)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 人工鰓 / ガスキャリア液 / Mo^<IV>O(tmp) / o-xylene / スケールアップ / 境膜物質移動係数 / 必要膜面積 / 酸素 / MoIVO(tmp) / 酸素キャリア / 促進輸送 / 海中開発 / バイオミメティクス |
研究概要 |
ガスキャリア液循環型人工鯛において、酸素移動速度はガスキャリア液の性質に依存する。ガスキャリア液の酸素親和力を制御することによって大きな酸素移動速度を得ることができる。本研究では、室温の暗所で酸素を配位し、可視光照射によって酸素を解離するoxo-molybdenum(IV)5,10,15,20-tetramesitylporphyrin(Mo^<IV>O(tmp))をガスキャリア液として用いた光刺激応答性人工鯛システムの開発を目的とした。まず、Mo^<IV>O(tmp)を合成し、その酸素配位・解離能を確認した。その結果、Mo^<IV>O(tmp)は遮光条件で酸素を配位してMo^<VI>O(tmp)(O2)に、光照射条件で酸素を解離してMo^<IV>O(tmp)に可逆的に変化することが確認された。また、遮光条件では全てのMo^<IV>O(tmp)が溶液中の酸素を配位し、Xeランプによる可視光照射下では配位した全ての酸素を完全に解離することが分かった。次に、Mo^<IV>O(tmp)を数種類の溶媒に溶解して酸素配位・解離速度およびMo^<IV>O(tmp)溶解度を測定した。その結果、o-xyleneがガスキャリア液の溶媒として最も適していることが分かった。よって、o-xyleneを溶媒としてガスキャリア液を調製した。このガスキャリア液中のMo^<IV>O(tmp)濃度を変化させ、光刺激による酸素分圧変化を測定した。その結果、低濃度側では全てのMo^<IV>O(tmp)が酸素を解離したが、高濃度側では溶存する一部のMo^<IV>O(tmp)のみ酸素を解離した。このことより、光照射方法の検討が必要であることが示唆された。また、Mo^<IV>O(tmp)濃度の異なるガスキャリア液について、酸素吸収および酸素解離におけるガスキャリア液側境膜物質移動係数を測定し、促進係数Eを算出した。これにより、人工鰐装置のスケールアップを試みた。その結果、ヘモグロビン系に比べて必要膜面積が若干大きくなる。また、Mo^<IV>O(tmp)への酸素配位速度が遅いため、リザーバータンク容量が大きいという欠点がある。しかし、Mo^<IV>O(tmp)をガスキャリア液として用いるシステムは、酸素解離に熱エネルギーを必要としないため、省エネルギーであるという利点がある。また、酸素分圧に依存せずに完全に酸素を配位・解離するため、高濃度のMo^<IV>O(tmp)溶液をガスキャリア液として用いれば、溶存酸素量の少ない水からも効率よく酸素を汲み上げることができる。よって、海底生活空間など、装置の大型化が問題とならないシステムにおいて、非常に有用であることが示唆された。
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