研究概要 |
前年度製作したPIV対応型衝撃波管に超音速ノズルとテストセクションを追加し,衝撃風洞を完成させた.完成した衝繋風洞は,高圧管1.2m,二重隔膜管0.1m,低圧管6mでアルミ製(内径φ80mm),ノズル部は0.2m,測定部は0.3mで□50mmである.これに前年度製作済みのダンプタンクを接続して実験を行った.駆動気体として空気とヘリウムで実験した結果,空気では高圧部0.92MPa低圧部11.2kPaで衝撃波速度744.8m/sを,ヘリウムでは高圧部0.90MPa低圧部10.5kPaで衝撃波速度1009.4m/sを得た.それぞれについて,測定部マッハ数を2.0とし,測定部圧力33.8kPa,104.8kPa測定部温度498.5K,995.1Kの予測値を得た. 一方,PIV計測に関しては,PIVの基本的な測定技術の確立を目的として風レンズ風車(つば付きディフューザ風車)周りの流れ場の計測を行った.PIV計測はディフューザ内部および後流に適用した.このPIVの1回の計測では10Hz,34枚連続で解析画像が撮影される.これらのデータを用いて,風車後流の渦構造の解明を行った.動的解析では,解析データを動画にすることで流れ場の時間的変化を可視化した.動画は0.1秒刻みで150枚以上の連続画で構成される.さらに,これらのデータから時間平均を算出し時間平均流線を書けるようにデータ処理法を考案した,それにより,時間平均流れ場をCFD計算値と比較し明らかにした.風車の作動条件に依存するが,流れ場の特徴として,つば後方のカルマン渦的なものおよびディフューザ後方に大きなブロッケージの渦があることが分かった. 以上,研究成果として,当初計画していた衝撃風洞を設計製作し完成させたこと,PIV計測において時間平均流れ場を算出できるようにしたことなど多くの新しい知見を得ることが出来た.
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