研究課題/領域番号 |
16560719
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
廣畑 優子 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00189896)
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研究分担者 |
山内 有二 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80312388)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 低放射化材料 / バナジウム合金 / ヘリウムイオン / 保持量 / 熱脱離 / 不純物 / 熱処理温度 / 照射量 / 最終熱処理温度 / ヘリウム保持量 / ヘリウム熱脱離特性 |
研究概要 |
低放射化バナジウム合金(V-4Cr-4Ti)は核融合装置の第一壁およびブランケットの候補材である。V合金は核融合反応で生成される様々なエネルギーを有するヘリウム(He)粒子の衝撃を受けHeを保持する。保持されたHeは熱・粒子負荷によってプラズマ中に再放出されるだけでなく、高温でHe脆化を引き起こす。本研究では高エネルギーのHeイオンをDEMO炉の条件に近いフラックスおよび照射量で照射した。その後加熱しHeの熱脱離特性を調べた。Heは約230℃と930℃で大きな脱離ピークを持って脱離した。低温側で脱離するHeは欠陥と不純物に捕捉されたHeクラスターの解離による脱離であり、高温側は内部バブルおよびブリスターの破裂による脱離であった。照射量を増加させていくと、最初に高温側での脱離するHe量が飽和し、その後低温側で脱離する量も次第に飽和した。保持量は、フルエンスが5×10^<21>He/m^2(46 dpa)まではHeイオンは100%捕捉されその後飽和した。飽和した保持量は約3×10^<17>He/cm^2であり、projected range内に保持されていると仮定すると原子比(He/V)は1.4にもなった。一方Heの捕捉サイトとし析出物があるが、析出物の密度はV合金の最終熱処理温度に強く依存する。そこで、本研究では、表面を研磨した試料、最終熱処理温度を変化させた試料を作製した。最もHe保持量が少なかったのは研磨後1100℃で加熱処理を行った試料である。最終熱処理を析出物密度が多くなる温度で行ったV合金は保持量が多く、低温側で脱離するHeの脱離温度が高温側にシフトした。また、表面からHeイオンが注入される深さまで酸素を溶解(拡散)させた試料では、保持量が未酸化試料に比べて少なく、低温側で脱離することが分かった。本研究で得られた結果は従来低照射量で行われていた研究結果と逆の傾向を示した。この研究はHe捕捉に大きな影響を与える不純物・析出物に対する新しい知見を得た。
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