研究課題
基盤研究(C)
本報告書には、研究課題名に記した通り「環境無排出を目指すエネルギーシステムの可能性とあり方に関するシステム分析」の研究に係る過去十年間に行った研究成果を取りまとめて報告している。報告書の第1章は「研究の背景と目的」を記し、OECD/IEA/ETSAP研究や科研費研究の実施経験を通じて我が国の長期的エネルギー需給・環境影響に係る諸問題の背景を整理し、本研究課題の目的を明らかにしている。第2章は「現実を直視して事実に学ぶ」ことを目的に、"戦後経済発展の足取り"、"エネルギー需給の推移と環境排出"、及び"技術の役割"をレビューしながら、これからの社会経済発展につながるシードの探索を行っている。第3章は「システム分析によるアプローチ」であり、システム分析の為の"モデルの役割"や、"計算ソフト、例えばMARKALやMARKAL-MACROEM"、及び"データベース"について説明した。第4章は「環境無排出を目指ざすエネルギーシステムの創造」に対するシステム分析の結果の報告にあてており、その前半部では西暦2000年から2080年に至る"我が国の基準エネルギーシステム(RES)"におけるエネルギー需給、種々エネルギー活動の経済性、及び環境排出を論じている。また後半ではRESの中での"個別技術の対応例"を紹介している。即ち、RDF発電の役割と限界、燃料電池の役割、太陽光を利用したCO_2リサイクル型自動車、軽水炉プルサーマル利用、電力負荷平準化(原子力深夜電力利用・水素燃料電池電熱併給・氷蓄熱系併用)、COレヒート発電によるCO_2排出削減、光合成反応への電気回路の応用、ユビキタス社会におけるエネルギー環境問題、等である。第5章は「環境無排出を目指す過程と効果」についての論及であり、"変化の速さ"、"サイクルとクローズド化"、"モデレートな順位"、"強さとしなやかさ"、及び"規模の効果"を例示に即して説明した。第6章は「総合所見と提言」である。これには現状からの知見、将来への提言が含まれている。最後に本研究の成果を一言で云えば、我々を取り巻く物質界は基本的には「不増不減」である。しかしながら、自然界や人間界が及ぼす種々力によってその状態は「流転の坩堝」の中に置かれ、本来は「不垢不浄」であるにもかかわらず「浄汚」を意識するのである。意識全うの為には、節約、効率改善、電熱合理的利用、リサイクル、炭素依存の少ない燃料への転換、非化石技術への転換、等が必要である。
すべて 2006 2005
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第24回エネルギー・資源学会研究発表会講演論文集
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Proceedings of 28^<th> Annual IAEE International Conference on Globalization of Energy : Markets, Technology, and Sustainability, Taipei, 3-6 June 2005