研究課題/領域番号 |
16570002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
遺伝・ゲノム動態
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
古賀 章彦 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80192574)
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研究分担者 |
嶋 昭紘 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 名誉教授 (60011590)
金森 章 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40324389)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | トランスポゾン / 転移 / 自然突然変異 / 突然変異率 / メダカ / 脊椎動物 |
研究概要 |
「メダカの自然発生突然変異の一部はトランスポゾンの転移が原因となっている」との推測に、実験データからの直接的な裏付けを与えることが、本研究課題の目的である。まず、この目的に適する系統を探索し、i^b系統を用いることとした。Tol2因子の挿入が原因となるアルビノ体色を示し、転移で新たな表現型が生じることが期待できる系統である。この系統でのTol2因子の転移頻度を、サザンブロット解析を行って測定し、0.65(コピー/配偶子/世代)という値を得た。これは、ショウジョウバエのP因子などが条件のそろったときに示す転移頻度に匹敵する高い値である。続いて体色の突然変異のスクリーニングを行い、0.22(可視突然変異/配偶子/世代)の推定値を得た。これは、脊椎動物の平均的な突然変異率の1,000倍以上の値である。新規の突然変異の分子レベルでの原因も追求し、95%以上がTol2因子の転移であることを明らかにした。このように、i^b系統を用いて、「高い転移頻度を示す系統は突然変異率も高い」という現象の実例を示した。これは、「メダカの自然発生突然変異の一部はトランスポゾンの転移が原因となっている」との推測に裏付けを与えるものである。以上の結果は、「脊椎動物では、自然発生突然変異へのDNA型転移因子の関与は、無視できるほどに小さい」との一般の見解に、再検討の必要性を提示するものである。
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