研究課題/領域番号 |
16570014
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
服部 昭尚 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (90273391)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | サンゴ礁 / 微小生息場所 / 場所利用 / 種の多様性 / 景観 / パッチリーフ / 画像解析 / 空中写真 / 微地形 / 種多様性 / 幼魚の定着 |
研究概要 |
沖縄県石垣島白保サンゴ礁の礁池陸域側の浅い水域(<3m、約6ha)において、拡大空中写真に画像処理を施して作成した調査用底質景観カテゴリーマップを用い、スズメダイ科魚類の微小生息場所利用のパターンを解析するための潜水調査を実施した。最初にスズメダイ科魚類のハマクマノミを対象とし、実際に利用していた微小生息場所を水中観察により特定した。これと同じ底質景観を拡大空中写真の画像解析によりコンピュータ上で抽出し、個体群データとの相関分析を行うことにより、個体数の増減を左右する潜在的生息地の形状や配列を分析した。その後、スズメダイ科魚類全種を対象として、同様の方法を用い、種数や個体数のデータから、種の多様性(多様度指数)が高まる微小生息場所の形状や配列の特徴を明らかにした。 調査の結果、ハマクマノミは、空中写真で陰が識別できる程度に凹凸の大きな立体的パッチリーフを利用していることが明らかになり、ハマクマノミの個体数はパッチリーフの総面積だけでなく、総周辺長とも有意な相関を示した。これらの結果は、立体的パッチリーフが多数集合している場所でハマクマノミの個体数が多くなることを示唆する。ハマクマノミはイソギンチャクと共生しているが、採餌はイソギンチャクから離れて行うため、凹凸の多いリーフは外敵から身を隠すことができる採餌場所となるのであろう。ハマクマノミだけでなく、スズメダイ科魚類の多様度指数も、立体的なパッチリーフの総面積と相関し、空中写真で識別できる立体的パッチリーフや岩盤の窪みがスズメダイ科魚類の種の多様性を高めていた。水深が数十センチメートル程度の潮間帯付近においても、パッチリーフの存在がスズメダイ科魚類の多様性を高めていた。拡大空中写真に写り込んでいる微地形の画像解析を行うことにより、スズメダイ科魚類の多様性が高い場所を予測することが可能である。
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