研究課題
基盤研究(C)
PCR法を用いてミヤコグサ菌根cDNAライブラリーから単離した3種類のリン酸トランスポーター遺伝子のうち、LjPT3が菌根特異的に発現していることをリアルタイムRT-PCRで確認した。次いで、in situ hybridizationによってLjPT3 mRNAは菌根菌の樹枝状体を含む皮層細胞に局在することを見いだした。また、高親和性リン酸輸送体を欠損した酵母PAM2変異株にLjPT3を発現させたところ、菌体内へのリン酸取り込みが上昇したので、LjPT3には確かにリン酸輸送能があることが証明された。さらにLjPT3の役割を明らかにするため、毛状根形質転換によってRNAiコンストラクトをミヤコグサに導入した。菌根菌を接種して低リン酸濃度で対照との生育を比較したところ、LjPT3ノックダウン形質転換体では樹枝状体付近にリン酸が蓄積して吸収がスムーズに行われない結果、対照よりも生育が有意に劣っていた。共生時における菌根菌の発達をさらに詳しく観察したところ、LjPT3ノックダウン形質転換体では対照に比べて樹枝状体の数が半分近くに減少する一方、idioblast細胞(褐色のフェノール化合物を液胞に蓄積し防御応答に関与すると思われる植物細胞)や菌糸侵入地点が2倍近くに増加していた。この結果から、植物は菌根菌由来のリン酸吸収量を監視しており、能率の悪い菌根菌を排除して新たな共生関係を模索することが示唆された。次にノックダウン形質転換体に菌根菌と根粒菌を同時に接種したところ、ネクローシスを起こして早死した根粒が多数観察された。これは、宿主植物が低能率だと認識した菌根菌への攻撃を行う際に、根粒菌もそのあおりを食ったために起こった現象だと思われた。
すべて 2007 2006 2005 2004
すべて 雑誌論文 (16件)
Plant Cell Physiol. 48(1)
ページ: 134-146
Plant and Cell Physiology 47(7)
ページ: 807-817
Plant and Cell Physiology 47(5)
ページ: 613-621
Molecular Plant-Microbe Interactions 19(1)
ページ: 80-91
Molecular Plant Microbe Interactions 19(1)
Plant Cell Physiol. 47(5)
Plant Cell Physiol. 47(7)
10018185102
Mol.Plant-Microbe Interact. 19
Plant Physiology 137(4)
ページ: 1261-1271
Plant Cell Physiol. 46
ページ: 108-117
Plant Physiol. 137
Plant Physiol. (In press)
Molecular Plant-Microbe Interactions 17(11)
ページ: 1223-1233
DNA Research 11(4)
ページ: 263-274
Biosci Biotechnol Biochem. 68(8)
ページ: 1805-1807
10013521198