研究課題/領域番号 |
16570037
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物生理・分子
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
井上 康則 東京理科大学, 理工学部, 教授 (50092143)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | レタス / 根毛 / マンガン / 低pH / 酵母 / Ls-MDR1 / Mn / Mnトランスポーター / SMF1,2 |
研究概要 |
低pH条件下ではレタスの主根伸長が抑制され、抑制による水吸収機能低下を補償する形で大量の根毛が形成される。低pH条件下ではMnの吸収が著しく抑制され、中性pHにおいて培地中のMnを減少させると根毛形成が誘導され、逆に低pH条件下で過剰のMnを与えると根毛形成が抑制されることから、低pHによる根毛形成誘導において根のMn減少が根毛形成誘導の引き金となっていることが推測された。 Mnの取り込み時間及び場所を放射性の^<54>Mnを用いて調べた所、pH低下1時間後には取込量は1/3に減少しており、中性pHにおけるMn供給低下による根毛形成誘導の時間及び場所も低pH処理と同様な結果を示した。これらの結果から、低pHによるMn取り込み低下が根毛形成の引き金となっていると考えても何ら矛盾の無いことが明らかとなった(業績1)。 低pHによるMn取り込み低下の原因を探るために、昨年度作製した2つのMnトランスポータ遺伝子が欠損したためにEGTA存在下で成長が著しく抑制される酵母突然変異株を用いて、レタスのMnトランスポータ遺伝子候補であるLs-MDR1遺伝子によりレスキューできるか調べた。その結果レスキューできなかったが、酵母に導入した際、翻訳に必要なコザック配列が欠落していたことが原因と考えられ、現在コザック配列を持った導入遺伝子を作成中。これとは別に、酵母突然変異株にレタスcDNA遺伝子をランダムに挿入し、いわゆるショットガン法でレスキューできる遺伝子を探したところ、約800BPの機能未知遺伝子を捕まえることに成功し、Mnトランスポータ遺伝子候補を明らかにできた。 低pHがMnトランスポータに直接作用するのではなく、カウンターイオンとしてのH^+放出に関与することにより結果としてMn取込量が低下する可能性も考えられる。そこで、中性条件下でH^+ポンプ阻害剤であるバナジン酸を投与すると、5μMで根毛形成が誘導されることが判った。この結果、低pHによるMn吸収低下の機構としてH^+ポンプ活性が関与している可能性が明らかとなった。
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