研究課題/領域番号 |
16570060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物生理・行動
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
吉野 正巳 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20175681)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 昆虫 / フタホシコオロギ / L型Caチャネル / Ca活性化Kチャネル / ケニヨン細胞 / キノコ体 / c AMP / イオンチャネル / cAMP / P / QタイプCaチャネル / LタイプCaチャネル / パッチクランプ / ベラパミル |
研究概要 |
昆虫の高次脳中枢キノコ体の学習・記憶機構に果たすイオンチャネル・受容体の役割を明らかにする手始めとして、キノコ体のケニヨン細胞に発現するイオンチャネルをパッチクランプ法により調べた。フタホシコオロギのキノコ表層部を切除後、酵素処理し、単一ケニヨン細胞を分離した。以下の2種類の単一チャネルが同定された。 (1)巨大コンダクタンスCa活性化Kチャネル 単一チャネルコンダクタンス127pSのチャネルを同定した。チャネル外側のK濃度を変え、電流の平衡電位を調べた所、ネルンスト式に従う、逆転電位のシフトが観察された。ClチャネルブロッカーのDIDS、Niflumic acid、及び9-ACは無効であった。TEAは単一チャネルの振幅を濃度依存的に減少させたが巨大コンダクタンスCa活性化KチャネルブロッカーのIberiotoxinは無効であった。 (2)電位依存性L型カルシウムチャネル 100mM Ba存在下で単一チャネルコンダクタンス21pSのチャネルを同定した。開確率はボルツマン関数に従い、電位依存的に増加した。平均加算電流の活性化閾値は一20mV、ピーク電位値は0mVで巨視的電流のキネティクスを再現した。BayK8644のラセミ体は単一チャネルの開口時間を延長した。Nifedipineはチャネルの開確率を減少させた。FPL64176は無効であった。1mMの8-bromo c AMPの投与によりチャネル開確率は減少した。この時チャネルコンダクタンスは約2倍に増加した。 以上の結果から、フタホシコオロギのケニヨン細胞に、TEA感受性でIberiotoxin非感受性の巨大コンダクタンスCa活性化KチャネルとDHP感受性の電位依存性L型Caチャネルの存在が明らかにされた。Caチャネルは細胞内のc AMPによって抑制性調節を受けることが明らかになった。c AMPはチャネル開口確率を減少させ同時に、単一チャネルコンダクタンスを増加させることがわかった。
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