配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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研究概要 |
紅藻ミリン科の属のレベルでは,Meristotheca(トサカノリ属)とAnathecaの特徴と位置を分子系統学的解析と形態学的形質に基づいて確立し,3種を含む.Meristiellaを前者のシノニムとした。種のレベルではトサカノリ属の2種の特徴を明らかし、詳細に記載すると同時に2新種を記載した。 1.日本産トサカノリの外部形態は,藻体軸の長さ,分岐頻度,ならびに副出枝の数によって大きく変異する。さまざまな形態を示す標本からDNAを抽出して行った分子系統解析によって,それらが同一種であることを明らかにした。 2.特徴が不明瞭であった日本および日本近海の固有種キクトサカは原記載時に,タイプ標本の指定なしで甑島(鹿児島県),八丈島(東京都),江ノ島(神奈川県)および台湾の4箇所の標本が引用されており、記載そのものも複数の種の特徴を示している。本種の特徴をレクトタイプ産地に近い下甑島を含む南日本産標本に基づいて明らかにした。 3.新種カサナリトサカMeristotheca imbricata Faye et Masudaは歴史的にはキクトサカに含めて扱われていたが,叉状分枝し,各節は線形で強く重なりあう覆瓦状葡匐葉状体をもち,二次的葉状体を末端節のいくつかから形成する,ならびに,四分胞子嚢は最初その基部において親細胞と壁孔連絡するが,若い四分胞子嚢が藻体内部に向かって伸長成長するために,成熟した四分胞子嚢はその側面において親細胞と壁孔連絡するようになる点でキクトサカとは異なる。 4.セネガルから新種Meristotheca dakarensis Faye et Masudaを記載した。本種は厚い肉質で丈夫な偃臥状葉状体をもつこと,四分胞子嚢の基部と親細胞の間に終始壁孔連絡があること,ならびに無数の嚢果が偃臥状葉状体の背面に形成される特徴をもつことで他種と区別される。
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