研究課題/領域番号 |
16570081
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
広瀬 裕一 琉球大学, 理学部, 教授 (30241772)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ジデムニ科群体ホヤ / 共生 / プロクロロン / 熱帯・亜熱帯 / 分布 / 琉球列島 / 垂直伝播 / 有性生殖 / ジデムニ科群体性ホヤ / 未記載種 / Diplosoma |
研究概要 |
脊索動物では唯一の光共生系である熱帯産ジデムニ科ホヤと藻類の共生は、共生システムの多様性と進化を考える上でとてもユニークな材料であるが、本邦における藻類共生性ホヤの分布情報は断片的なものに留まっており、研究基盤としての分類学的研究が必要であった。本研究では、八重山諸島、奄美大島、トカラ列島、父島(小笠原諸島)、薩南諸島で採集調査を行い、琉球および小笠原における共生性ホヤの分布状況の概観を得るとともに、一部の種については分布北限を推定した。また、共生性Diplosoma属2種について新種記載を行なった。さらに、ホヤと藻類の共生成立と多様化の歴史を理解する目的で、宿主ホヤの分子系統学的検討や世代間の共生藻伝搬(垂直伝播)過程の記載を行ない、共生成立は宿主ホヤ属ごとに一度以上あったと考えられ、胚または幼生が親群体から共生藻を獲得し運搬するプロセスも極めて多様であることを明らかにした。 ホヤ-プロクロロンのような光共生系の分布を制限する環境要因としては、温度と光が重要であると考えられる。亜熱帯に位置する琉球においては熱帯と較べて年間の温度差が大きいことから、宿主ホヤにおいて有性生殖の季節性が認められることを明らかにした。また、光環境への適応として紫外線吸収物質(mycosporine-like amino acids)に注目し、宿主ホヤの棲息深度深度に応じて紫外線吸収物質含量が低下することや、宿主ホヤのcolor morphの違いが紫外線吸収物質含量や共生藻の含量に有為な差を生じることを明らかにした。
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