研究概要 |
1.2004年までに記録された日本産Fissidens(ホウオウゴケ)属のすべての種について、学名、文献、日本における分布、和名などをNew Catalog of the Mosses of Japanに収録した。それらのうち、多種の1壁"名とされたものについても記録した。その結果、46種(+5変種)が日本から記録されていることがわかった(文献1)。 2.Fissidens(ホウオウゴケ)属は蘚類中最大の属であり、世界に約900種が記録されている、微小な種も多く、分類が大変困難な属であり、これまでにいくつかの亜属・節の分類が提案されている,研究代表者らはこれまでの分類とは異なり、本属を6亜属、7節に分類することを提案した。その中には1新亜属が含まれる(文献4)。 3.これまで分類が混乱していたインドとネバールに分布するFissidens pulchellus Mittとその近縁孤を灘細に研究し、F.subpulchellus NorkettをF.pulchellusの異名とした。さらに、近縁のF.longtonianus Z.lwats.&Tad. Suzukiを新種として記載した(文献2)。 4.ハンガリーの植物調査チームがベトナムで採集したFissidens(ホウオウゴケ)属の標本中に、1新稲を見出し、F.soldanianus Tad. Suzuki&Z. Iwats.として記載した。本種は水中に生育する点で、Octodiceras亜属の種に似るが、研究の結果Serridium亜属に属することがわかった(文献3)。 5.沖縄木島から見川されたFissidens(ホウオウゴケ)属の1種は水辺か'ら水中に生育し、水分条件により形態の変異が著しい。本種の生育する環境と形態との関連を研究し、近く発表の予定である。 6.静岡県浜松市で日本に未記録のFissidens longsetus(和名なし)を見出し、近く発表の予定である。
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