研究課題/領域番号 |
16570091
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造生物化学
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
大保 貴嗣 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (90207267)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | sarcoplasmic reticulum / Ca^<2+>-ATPase / phosphoenzyme / active transport / SERCA / calcium pump / P-type ATPase / Darier Disease / Sarcoplasmic Reticulum / Ca2+-ATPase / Hydrophobic Interaction / Ca2+ transport / Calcium pump / phosphoenzym |
研究概要 |
筋小胞体Ca^<2+>-ATPase(SERCA1a)はATP加水分解に共役してCa^<2+>を細胞質から小胞体内腔に汲み上げ、Ca^<2+>による細胞機能制御に必須の役割を果たす。Ca^<2+>輸送部位は膜貫通ドメインにあり、細胞質に突き出た領域の3つのドメイン(A、P、N)に触媒部位がある。リン酸化部位がP(リン酸化ドメイン)に、ATPのアデノシン部分の結合ポケットはN(ヌクレオチド結合ドメイン)に存在する。 Ca^<2+>輸送は、細胞質の3つのドメインの相互作用の変化が輸送部位に伝達されることによると予想されている。我々は、リン酸化中間体の構造転換(E1P→E2P)に伴いAドメインが90°以上も大きく回転しドメインPへ結合することを示唆した。1.Tyr^<122>などの7残基がドメインA-Pの界面に形成する疎水性クラスターがEPの構造転換と小胞体内腔へのCa^<2+>放出に必須であろうこと、さらに構造転換後のE2Pの構造形成に重要な役割を担うことを明らかにした。2.本酵素(E2)にBe/F、Al/F、またはMg/Fが結合したの複合体が本酵素のリン酸化中間体とその加水分解過程の安定なアナログであり、各々、基底状態、遷移状態、酵素・生成物複合体のアナログであることを示した。さらに、リン酸化中間体の加水分解過程における触媒部位の変化によりCa^<2+>輸送路が閉じて小胞体内腔からCa^<2+>を漏出させない構造が獲得されることを示した。3.ダリエー病の原因となるSERCA2b変異体3種I274V,L321F,M719Iの変位酵素について発現量と速度論的解析を行った。I274VとM719Iが野生型にかなり近い性質をもつことから、haploinsufficiencyを避けるためには厳格な機能要求があること、また内腔のCa^<2+>感受性低下が見られたL321Fではこの性質と神経精神的病態との関連性が指摘された。
|