研究課題
基盤研究(C)
golginファミリーはゴルジ体に局在するcoiled-coil構造を持つタンパク質である。これらは小胞輸送過程の膜融合における繋留機構とゴルジ体を支える基質タンパク質として働いている。golginファミリーの一つであるgiantinはC末端の疎水性領域でゴルジ膜に結合して、細胞質側にそのほとんどが存在するII型タンパク質である。giantinは小胞輸送過程の繋留機構に関与すると考えられている。このgiantin結合タンパク質として単離されたGCP60はゴルジ体膜細胞質側にペリフェラルに結合するタンパク質である。GCP60のC末端側200アミノ酸残基を細胞に導入、過剰発現させるとゴルジ体の崩壊と小胞体-ゴルジ体間のタンパク質輸送の阻害が観察される。この報告ではGCP60のゴルジ体局在に必要な領域の検索をおこない、ゴルジ体局在に必要な2つの異なったシグナルを同定した。推定アミノ酸配列をタンパク質モチーフ検索ライブラリで検索を行った結果、GCP60は数種類の機能的な構造領域を持つことが明らかになった。プロリンリッチドメイン、Acyl-CoA結合ドメイン、核局在化シグナル、さらにGOLD(Golgi dynamics domain)ドメインである。GOLDドメインは新規のベーター構造に富むドメインでp24カーゴ受容体など、ゴルジ体に関係する数種類のタンパク質で見いだされ、他のタンパク質との相互作用を通して、分泌やゴルジ体の動態に関与すると推測されている。またGDLDドメインは本タンパク質が過剰発現がゴルジ体の崩壊を引き起こすのに必要な領域に存在する。私はGCP60をゴルジ体に局在させるのに必須な領域の検討を行い、それが種々のタンパク質モチーフと関係するかを検討した。一連の欠失変異体の導入、発現実験からC末端近傍のGOLDドメインが本タンパク質の局在に必須であり、特に512と513番のチロシン残基がgiantinとの結合に関係することを見いだした。またN末端近傍の93と94番のフェニルアラニン残基がGCP60の小胞体からの輸送に必須であった。以上の結果から、GCP60はゴルジ体膜タンパク質と同様に小胞体-ゴルジ体間を行き来していると考えられる。
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