研究課題/領域番号 |
16570111
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
佐藤 憲子 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (70280956)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 高次染色体構造 / 核構築 / エピゲノム / Oct-3 / 4 / GCNF / DNAメチル化 / Cct-3 / 高次染色体 |
研究概要 |
ゲノムの様々な機能と動態との関連を理解するためには、染色体クロマチンのエピゲノム情報及び高次構造を解析する必要がある。特に後者については未知の点が多いので、3D-FISHの画像データを演算処理し、立体的な染色体の核内配置、凝縮度についてのデータを蓄積する必要があると考えられる。本研究では主に2つの解析対象を用いた。第一の解析対象は、ドキシサイクリン(テトラサイクリン誘導体)依存性の転写ユニットの繰り返し挿入配列である。この系ではドキシサイクリンが存在しても、必ずしも100%の確率で転写が活性化されるわけではない。実は、挿入配列領域の染色体が脱凝縮していることが転写活性化に必要であり、脱凝縮する頻度は確率的なものであることがわかった。第二の解析対象は胚性細胞の分化の全能性維持に必須とされるOct-3/4遺伝子を含むゲノムの領域である。胚が全能性を獲得している時期は分化過程において限定されており、Oct-3/4遺伝子の遺伝子発現も厳密に制御されている。そこでES細胞の分化系を用いて、Oct-3/4遺伝子を含む染色体領域の高次構造変化とOct-3/4遺伝子調節領域のエピゲノム状態の変化を解析した。その結果、Oct-3/4遺伝子を含む染色体領域の凝縮度は分化によりやや高くなるが、ヘテロクロマチンとの距離には変化が見られず、高次構造変化は顕著ではなかった。一方、Oct-3/4遺伝子調節領域のエピゲノム状態の主要な変化は、ヒストンH3K9,K14の脱アセチル化、H3K4の脱メチル化およびシトシンのメチル化であることがわかった。Oct-3/4遺伝子のサイレンシングには、シトシンのメチル化が最も重要と考えられるが、Oct-3/4の転写抑制因子GCNFがDNAメチル化酵素と相互作用することを新たに見いだしたため、本研究によってさらに新たな展開へと実験を進めることができた。
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