研究課題/領域番号 |
16570116
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前田 裕輔 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (00294124)
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研究分担者 |
木下 タロウ 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10153165)
村上 良子 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (00304048)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | GPIアンカー / 輸送 / リモデリング / 脱アシル化 / ラフト |
研究概要 |
(1)イノシトール脱アシル化(inositol-deacylation)酵素の同定 我々が樹立した変異細胞株よりGPIアンカーのイノシトール脱アシル化酵素(新規遺伝子PGAP1)の同定し、この遺伝子の変異細胞株においてGPIアンカー型蛋白質の細胞内輸送が遅滞することを論文報告した。 (2)イノシトール脱アシル化(inositol-deacylation)の生物学的意義の解明 イノシトール脱アシル化の生物学的意義を解明するためイノシトール脱アシル化酵素PGAP1遺伝子のノックアウトマウスを作成した。ノックアウトマウスの大部分はotocephalyの表現系を示し胎生致死であったが、一部成長遅滞を伴いながらも生存した。成熟した雄のノックアウトマウスは不妊であった。精子の数・運動性は正常であったが子宮卵管への侵入および卵子への結合能に異常を認めた。現在、より詳細に解析中である。 (3)GPIアンカー型蛋白質の細胞表面への発現制御機構の解析 GPIアンカー型蛋白質の細胞表面の発現が著しく低下する変異細胞株を樹立した。発現クローニング法によりこの変異細胞の責任遺伝子PGAP2を同定した。変異細胞株の解析によりGPIアンカー型蛋白質の脂質部分のリモデリング機構の異常が強く示唆された。この変異細胞をさらに変異原で処理し細胞表面のGPIアンカー型蛋白質が回復する2重変異株を得た。この細胞ではGPIアンカー型蛋白質はラフトにほとんど局在していないことが判明した。GPIアンカーの脂質部分を質量分析機で解析した結果、正常細胞では飽和型脂肪酸であるのに対し、2重変異株では高度不飽和脂肪酸であった。この事実は哺乳類細胞において脂質部分のリモデリング機構が存在する初めての直接的証拠であり、GPIアンカーの飽和型脂肪酸がラフトへの局在を規定している重要な因子であることを初めて示した。
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