研究課題/領域番号 |
16570135
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岩根 敦子 大阪大学, 生命機能研究科, 助手 (30252638)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | アクチン / ミオシン / 共同性 / ブラウン運動 / 1分子計測技術 / 回転 |
研究概要 |
ミオシンの運動メカニズムとして今まで広く信じられてきた"首振り説"が本当に正しいかどうか証明したい。単なる首振り運動ではなく、"バイアスのかかった熱ゆらぎ運動"で説明できそうである。アクチンフィラメント上に"ホットスポット"を呼び起こすという仮説から、さらに一方向に動く決め手に成りえる証拠を出したい。 当該研究期間で得られた結果は、先ず、(1)1分子イメージングの技術を用いてミオシンV,VI共に運動進行方向側にそれぞれ次のミオシンが結合し易い事が解り、"ホットスポット"の存在をコンファームした。続いて、(2)アクトミオシン相互作用時にアクチンが回転するという実験結果に非常によく合う結果を計算機実験から得、論文に報告し(Kitamura K. et al. 2005)、アクチン側の重要性は回転とも密接に関与していることを示した。さらに、(3)活性化状態のアクチンを観察・解析するために必要不可欠なアクチン変異体作成にも成功した。アクチンの回転を効果的に実時間で観察するためにアクチンフィラメントの角度に配慮して表面の異なる2カ所のチオール基へ2反応性蛍光色素を安定に導入した。一方、(4)ミオシンのネックがステップを決めているのでは無く、アクトミオシン相互作用時のキネティックスを調節している結果を(Iwane A.H. et al. 2005)に報告し、ネックは単なるレバーでないことを示した。単頭構造を有するミオシンVI全長組み換え体やミオシンIX尾部欠損組み換え体もネックの部位にミオシン側に運動方向を決めるセンサーによる調節があることが示唆され、ミオシンの単なる熱揺らぎ運動がどのようにしてバイアスのかかった熱揺らぎ運動をもたらすのかを学術論文に報告した(Iwaki M. et al. 2006、Nishikawa M. et al. 2006)。アクチン-ミオシンファミリーの共通の動作機構がまさに解明されようとしている。
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