研究課題/領域番号 |
16570137
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
玉腰 雅忠 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (10277254)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | DNA輸送 / twitching / 形質転換 / Thermus thermophilus / バクテリオファージ / 高度好熱菌 / 線毛 / 自然形質転換 / twitching motility / タンパク質 / 遺伝子 / 微生物 / ファージ |
研究概要 |
ファージによる細胞内へのDNAの注入、およびファージ粒子の成熟過程におけるDNAのパッケージング機構を調べるため、扱いが容易で構造解析に有利と思われる高度好熱菌Thermus thermophilusに感染する溶菌ファージYS40、およびTMAの全ゲノム塩基配列解析を行った。その結果、DNAを格納する頭殻、DNAの宿主細胞内への注入に先立って収縮するシース、DNAの通り道とされるチューブの各タンパク質遺伝子を見出したが、テイルリゾチームの遺伝子は配列相同性からは見つけられなかった。一方、DNAパッケージングに必須の役割を果たすモータータンパク質、ターミナーゼの大サブユニット遺伝子は見出されたが、小サブユニットに当たる遺伝子は見つけられなかった。以上のことは、この好熱菌ファージが他のファージと異なる仕組みで感染するか、もしくは同じ機構であっても、各感染過程を担うタンパク質の構造がかなり異なることを示唆する。また、自然形質転換に関わるタンパク質のうち、線毛の外膜貫通チャネルを形成するPilQ、DNAの取り込みに必要なモータータンパク質PilT、その他の線毛関連タンパク質の遺伝子破壊株を作製し、それらの表現型解析を行った。その結果、pilQ、および線毛のモノマータンパク質が重合する際にエネルギー供与するpilF遺伝子を破壊すると、DNAの取り込みが起きなくなる点は他の生物種と同じであった。しかし、線毛の収縮に関わるpilT遺伝子を破壊してもDNAの取り込み能は失われなかった。このことは、T.thermophilusの自然形質転換におけるDNAの取り込み機構が他の生物種と大きく異なる可能性を示唆しており、この好熱菌はDNAの取り込み機構の進化を知る上で重要な研究材料といえる。
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