研究課題/領域番号 |
16570145
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鍋谷 彰 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (40334495)
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研究分担者 |
石川 冬木 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (30184493)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | テロメア / 損傷チェックポイント / 組換え / 染色体 / 損傷チェックポイント機構 / 複製 / ALT / 細胞周期 / 染色体複製 |
研究概要 |
テロメレースに依存せずテロメアを維持しているALT細胞において、損傷チェックポイント機構のテロメア維持機構における役割について解析を行った。まずDNA上の傷害部位の認識に関与するチェックポイントRadタンパク質群(Rad9-Hus1-Rad1クランプ様複合体、Rad17-RFC)が、ALT細胞で特異的にテロメアと共局在し、細胞核内でフォーカス状の構造体ALT-associated PML body(APB)を形成することを明らかにした。一方リン酸化Rad17やDNA損傷のマーカーであるγ-H2AXもAPBに局在が観察されるが、それは一部のAPBに限られていた。これはALT細胞の損傷応答が、チェックポイントRadタンパク質の局在と、ATM/ATRキナーゼすなわち損傷応答機構の活性化という二段階の制御が存在することを示唆している。一部のAPBではBrdUの取り込みが検出され、実際にDNA合成が起こっているが、これはATM/ATRの阻害剤であるカフェインに感受性であった。このことから損傷応答機構の活性化が、ALT細胞でのテロメア複製に必須であることが示唆された。次にこのようなテロメアにおける損傷応答が誘発される要因を明らかにするため、ALT細胞テロメアDNAの構造的特徴について検討を行った。その結果、ALT細胞では、テロメレース陽性細胞に比べ、高頻度にDNAに単鎖切断が生じていることを見いだした。これはALT細胞のテロメアではnickやgap等の損傷部位が存在すること、またそれらが修復されずに保持されていることを示唆している。ALT細胞では複製フォークがテロメアで一時停止し、それがテロメア間の組換えを誘発してテロメア維持を行う、という機構が考察できる。
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