研究課題/領域番号 |
16570151
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
田中 誠司 国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 助手 (50263314)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | DNA複製 / CDK / S.cerevisiae / Sld2 / pre-RC / S期 |
研究概要 |
真核細胞のゲノムDNAの複製は、各染色体上に複数存在するDNA複製起点から開姶する。G1期には、この複製起点上には複製前複合体(pre-RC)と呼ばれるタンパク-DNA複合体が形成され、細胞にDNA複製能を与える。S期には2つのキナーゼ、CDKとCdc7がpre-RCを活性化し、DNA複製が開始する。この過程におけるCDKの生理的ターゲットは長年未知であったが、最近Sld2が報告された。本研究ではまず、CDKによるSld2のリン酸化がDNA複製開姶に必要十分かどうかを検討した。人工的な変異導入により、Sld2の活性型模倣変異体を作製し、CDK活性がなくても複製フォークの形成とそれに続くDNA合成がおきるかどうかを調べたところ、この変異体だけではDNA複製を開始できないこと、すなわち、Sld2のリン酸化は複製開始に必要であるが十分でないことがわかった。このことから、Sld2以外にもS期開始に必要なCDKの基質があると結論し、このSld2活性化型変異を用いて、この変異と合成致死となる変異のスクリーニングを行った。その結果、これまでに複製フォークで働くと考えられている複数の因子の変異体が得られた。これら変異は全てS期の開始あるいは進行に欠損を示し、CDK活性なしでも顕著なDNA複製を行うようなものではなかった。そこで、もう一度異なる方法にてSld2変異とともに致死となる変異体のスクリーニングを行い、興味深い変異体をひとつ得た。この変異体は、G1期停止、S期CDKあるいは全てのCDK活性を抑制した状態においてDNA複製を行うことができた。さらに、密度勾配遠心法や2次元ゲル電気泳動法等の手法を用いて、この変異体では実際にDNA複製が起きていることを示す証拠を得た。この変異体取得はDNA複製開始機構解明への大きな足がかりになるものである。
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