研究課題/領域番号 |
16570157
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
久保田 広志 京都大学, 再生医科学研究所, 助手 (80332724)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | CCT / 分子シャペロン / フォールディング / RNAi / アクチン / チューブリン / 凝集体 / HSP60ファミリー |
研究概要 |
細胞質シャペロニンCCTは、HSP60ファミリーに属する分子シャペロンであり、タンパク質のフォールディングを介助する分子である。CCTは、ヒトを初めとする全ての真核細胞に分布し、8種類ものサブユニットを介した非常に複雑で巧みなシャペロン機構を備えていると考えられているが、その機能の詳細はあまり良くわかっていない。 そこで、CCT複合体の細胞内における働きと、8種類のサブユニットの各々の機能を明らかにすることを目的として本研究を行った。平成16年度に、CCTをノックダウンできるsiRNAを発現するベクターを複数構築し、最も効果の大きかったものを選択した。さらに、YFP-アクチンやGFP-チューブリンの発現ベクターを同時に細胞にトランスフェクションすることにより、CCTのノックダウンがこれらの蛋白質の凝集体化を引き起こすことを見いだした。 平成17年度は、まず、その時間経過を追って調べたところ、トランスフェクション後48時間ごろから凝集体の形成が開始され、72時間、98時間と時間を追うに従って凝集体が大きくなると同時に、細胞の形態が悪化し、細胞死を起こしているような像も観察された。また、fluorescence recovery after photobleaching(FRAP)法により、これらの蛍光タンパク質のダイナミクスを解析したところ、凝集体中のものは、ほとんど動かないことがわかった。さらに、遠心分画法による蛋白質可溶性の解析においても、CCTサブユニットのノックダウンにより、GFP-チューブリンやYFP-アクチンの不溶性画分が増加することが確認された。 以上の結果は、CCTがアクチンやチューブリンの生合成に必須の分子シャペロンであり、細胞内CCT量の低下は、これらのタンパク質の不可逆的な凝集を引き起こすと共に、細胞の生存にとって重篤なダメージを与えることを示したものである。
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