研究課題
基盤研究(C)
以前の国際共同研究により、Cdc42のアダプター蛋白質Borgがセプチン複合体と相互作用することを報告したが(Nat Cell Biol 2001)、Borgの細胞内局在や機能に関しては全く知られていなかった。Cdc42-Borg系がセプチンの重合や局在を制御している可能性を探索するため、Borgの抗体を作成して細胞内局在を明らかにし、RNA干渉法で培養細胞のBorgを90%以上枯渇させた。しかし予想外なことにセプチンの局在や集合状態、および他の主要細胞骨格系には影響が見られなかったため(未発表データ)、引き続きCdc42-Borg系の細胞レベルでの機能を探索している。次いで、真のセプチン重合制御因子の探索を目的として、細胞抽出物から生化学的にセプチン結合性蛋白質を精製し、マススペクトロメトリー(フィンガープリンティング法)で同定した。その結果、特定のセプチンサブユニットが重要なシグナル系のアダプター分子と相互作用することが明らかとなった。現在その相互作用の細胞生物学的意義を過剰発現系やRNA干渉法を用いて解析している(投稿準備中)。一方、これら細胞レベルの実験と並行して個体レベルの機能解析を行うためにSept4遺伝子欠損マウスを作成したところ、予想外の雄性不妊から、精子鞭毛内の輪状小体がセプチンの環状高次集合体(セプチンリング)であり、その破綻によって生殖機能が失われることもわかった。同時にヒトの精子無力症検体でもセプチンリングの破綻を認め、その臨床的意義を確立した(Dev Cell 2005)。以上のような研究の進展によってセプチン系を再定義する必要性が生じ、総説を発表した(Curr Opin Cell Biol 2006)。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (15件)
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