研究課題/領域番号 |
16570161
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
祐村 恵彦 山口大学, 理学部, 教授 (70183986)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 基質接着 / 細胞運動 / アクチン / 白血球 / アメーバ / 細胞性粘菌 / 基質 / 足 |
研究概要 |
1 足場蛋白質遺伝子の網羅的解析 2つの方法により、研究を進めている。1つは、化学突然変異誘発剤により基質接着できない変異体細胞を作成し、CDNAライブラリーによるレスキュー法により足場蛋白質遺伝子を同定することを試みており、現在複数の変異体を単離した。今後、これらの遺伝子の配列を調べ、欠損細胞の作成、GFP標識細胞を作成する予定である。2つめは、ホモロジー検索を基に、ゲノムプロジェクトから足場関連蛋白質を発見解析する方法で、現在2種の遺伝子について単離し、GFP標識してその動態について解析した。 2 細胞運動時の足場の動態の観察 GFPアクチンを粘菌細胞に発現させ、アクチン焦点と我々が名付けた足構造がどのように動くのかをエバネッセント蛍光顕微鏡で観察した。同時に反射干渉顕微鏡法により、基質との距離が近い部位についても同時計測した。個々の足は約20秒程度でターンオーバーしていることが分かった。この足の数が増すと、細胞運動速度は減少した。アクチン焦点の消長はミオシンIIに依存することが分かった。ミオシン欠損細胞ではアクチン焦点の数が増した。細胞が方向転換する時どのように足場が動くのかについて現在解析している。また、アクチン焦点とは別に仮足下部にも基質接着する場があることが明らかになってきた。また、分裂期に特異的な核の下に形成されるアクチン構造を新たに発見しMDASと名付けた。MDASが足場依存的な細胞質分裂の基質接着構造であること、この構造が微小管からのシグナルによって制御されていること、またMDASを人工的に除くと細胞は分裂できなくなることを明らかにした。 3 細胞の足場での力の可視化 従来柔軟なシリコン基質を用いていたが、弾力性に問題があり、ゼラチンの基質に変更した。その結果、非常に再現よく力の測定が可能になった。その大きさはナノニュートンオーダーであった。ビーズを非常に細かく基質上にまくことで、細胞の局所での詳細な力とベクトルの測定が可能になった。アクチン焦点での力の伝達の様子を疑似カラーで可視化できるようになった。
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