研究分担者 |
森山 隆則 北海道大学, 医学部, 教授 (20312423)
浅賀 忠義 北海道大学, 医学部, 講師 (60241387)
井上 馨 北海道大学, 医学部, 教授 (80133718)
増山 尚美 北海道浅井学園大学, 生涯学習システム学部, 助教授 (30326590)
森谷 きよし 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40000939)
境 信哉 北海道大学, 医学部, 助教授 (30299804)
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研究概要 |
目的:1.集団ダンスムーブメントセラピー(DMT)によって高齢者の心身に生起する環境適応効果(効果)を明らかにする.2.効果の大きさに対する生理的多型性の影響を検討する。 対象と方法:H16年度:健常高齢女性28名(57〜73歳)を,ランダムに3群に割り付け(DMT,歩行バランス運動(W),静的日常活動(L));午後90分間のDMT(W・L)に13週間(16回)参加させた。 H17年度:介護老健施設デイケアを利用する虚弱高齢女性22名(年齢66〜95歳)をランダムに2群に割り付け,DMT群は午後60分間のDMTに10週間(1回/週),対照群は通常のデイケアプログラム(ゲーム・手工芸など)に同期間参加させた。両年度とも早朝尿中ストレスホルモン量(17-Ketosteroid硫酸抱合体:KS,17-Hydroxycorticosteroids:OH)の変化を測定。また,H16はストレスレベル,H17は気分変化を検査した.統計解析ではp<0.05を有意と判定した。 結果と考察:1.H16年度:13週後にKS(抗老化,生体修復ホルモン)はDMT群のみ有意に増加した.社会的ストレスはDMTとL群で低下,心理的ストレスはW群で増加した。他群に比し,DMTによる効果は健常高齢者の心身両面にバランスよく現れると言える。H17年度:毎回の気分改善程度はDMT群が対照群より大きかったが,10週後にDMT群のみOHが増加した。DMTが長期的には生理的ストレスになった可能性がある。 2.両年度とも,介入前(前)KSの少ない者ほど活動によるKS増加効果が大きかった(負の有意な相関:p=0.42,p=0.55,p<0.05)。よって,被験者の前KSの大きさ(生理的多型性)は,これらの活動による効果の大きさに影響すると考えられた。
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