研究課題/領域番号 |
16580033
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物病理学
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研究機関 | 独立行政法人農業生物資源研究所 |
研究代表者 |
南 栄一 独立行政法人農業生物資源研究所, 植物科学研究領域植物・微生物間相互作用研究ユニット, ユニット長 (70373256)
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研究分担者 |
秋本 千春 独立行政法人農業生物資源研究所, 植物科学研究領域・植物・微生物相互作用研究ユニット, 研究員 (50414876)
MINAMI Eiichi National institute of Agrobiological Sciences, Research Unit of Plant-Microbe Interactions, Head (70373256)
賀く 華江 独立行政法人農業生物資源研究所, 生体高分子研究グループ, 主任研究官
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | イネ / イネいもち病菌 / 活性酸素 / カタラーゼ / 植物・微生物相互作用 / いね |
研究概要 |
病害抵抗性の解析における新たな実験系の構築を目的として、イネ培養細胞(日本晴)にイネいもち病菌胞子懸濁原液を添加し、イネ細胞の防御応答を解析した。その結果、非親和性胞子接種時の過酸化水素量が親和性胞子に比べ有意に高かった。この差は遺伝子対遺伝子関係によるものではなく、菌系に特異的な胞子懸濁液中のカタラーゼ活性の強弱によることがわかった。類似の活性が菌培養濾液からも検出されたので、カラムクロマトグラフィーによってこの酵素を部分精製し、アミノ酸の部分配列の解読を行ったところ、単一ペプチドからなるカタラーゼ/ペルオキシダーゼであることが判明し、1コピーの遺伝子を同定した。いもち病菌胞子を洗浄してカタラーゼ活性を除去すると葉鞘表皮細胞における過酸化水素蓄積の上昇とともに感染効率が低下し、そこにカタラーゼを添加すると逆の現象がみられた。また、葉身接種により形成される病斑はカタラーゼ存在下では非存在下に比べて有意に拡大した。これらの結果から菌のカタラーゼは初期および後期の感染過程を正に補助する因子であると結論した。本カタラーゼ遺伝子欠損の作成のためたいもち病菌ゲノムデータベースを参考にIna86-137の当該遺伝子領域をPCRで増幅しタンパク質コード領域を確認したのち、第4エクソン上にあるヘム結合領域を抗生物質抵抗性遺伝子で置換した系統を作成し、ゲノム構造が予想通り変化したことを確認した。これらの系統の培養濾液中のカタラーゼ活性は非形質転換体に比較して10%以下に低下していた。なお今年度はこれらの成果をとりまとめた論文が受理され現在印刷中である。
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