研究課題
基盤研究(C)
ヒメトビウンカのウォルバキア細菌を対象に、人為感染個体並びに感染細胞を用いて、機能解析を行った。1.ウォルバキア接種による実験個体群の作出マイクロアレイ解析が行えるカイコまたはトピイロウンカにヒメトピウンカのウォルバキアを接種した。カイコでは、ウォルバキア感染個体を得るには至らなかった。トピイロウンカでは感染個体の選抜を繰り返しても感染率が10-2眺程度と低かったが、感染個体だけを選んで実験に用いることができた。2.カイコ細胞を用いたマイクロアレイ解析感染と非感染の細胞での発現遺伝子を、カイコのcDNAマイクロアレイを用いて比較した。感染によって発現量が3倍以上に増加または減少する遺伝子を見つけることはできず、ウォルバキアは宿主細胞の抗菌タンパク質の遺伝子を含むほとんどの遺伝子発現を誘導しなかった。大腸菌や細胞内共生カルディニウム細菌では、宿主細胞の抗菌タンパク質遺伝子の発現を誘導した。3.トピイロウンカを用いたマイクロアレイ解析ウォルバキアを接種したトビイロウンカの精巣で発現する遺伝子のマイクロアレイ解析を行った。トビイロウンカ自身もウォルバキアによって細胞質不和合性を示す。ウォルバキア感染精巣と非感染精巣で発現する遺伝子を比較し、発現量が数倍異なる1一数個の遺伝子を得た。4.蚊のウォルバキア感染調査病原を媒介する蚊をトランスジェニック作出技術によって、媒介できなくする研究が行われている。細胞質不和合性を蚊に対して利用する一環として、国内で採集した蚊個体群のウォルバキア感染状況を調査した。野外個体群約430サンプルの17%からウォルバキアを検出した。5.カルディニウムの培養とマイクロアレイ解析ウォルバキアと並んで、宿主昆虫の性や生殖を制御する細菌であるカルディニウム細菌を種々の昆虫細胞を用いて培養し、さらにマイクロアレイ解析を行った。ウォルバキアと異なり、宿主細胞の抗菌タンパク質の発現を誘導した。また、検出用プライマーを開発した。
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