研究課題
基盤研究(C)
蛋白質アルギニン脱イミノ酵素(PAD)は、蛋白質中のアルギニン残基をシトルリン残基に変換する酵素である。先に我々は、マウスPAD遺伝子は5つの遺伝子から構成され、これらは全て4番染色体(4E1領域)にクラスターとして座乗していること、また本遺伝子構成地図はヒトのPAD遺伝子群ときわめて類似していることを明らかにした。最近、ヒトPAD遺伝子のうちPADI4遺伝子(マウスPadi4遺伝子と相同)が慢性関節リウマチ発症の原因遺伝子の一つであることが報告され、実験動物を用いたPADI4遺伝子の生理機能と遺伝子発現制御機構に関する研究が大変重要となってきた。我々は当該研究期間内においてマウスPadi4遺伝子産物PAD4対するモノクローナル抗体を作製し、ウェスタンブロット解析、免疫染色を行ったところPAD type IVが腹腔マクロファージの核に存在することを明らかにした。ついで、Pristane投与マウスの腹腔内マクロファージではPAD type IVが高いレベルで発現していることが見出され、またsnRNPの構成成分のうちU1-70K蛋白質のアルギニン残基のシトルリン化がSLEの自己免疫応答の引き金となっていると推定されたことから、U1-70KペプチドをマウスPAD type IVにより反応させた結果、U1-70Kペプチドのシトルリン化が確認された。一方、マウス白血病ウイルスのp30gagペプチドのシトルリン化は確認されなかった。これより、U1-70KはPADにおける特異的な基質であることが明らかとなった。このように、本研究によりU1-70K蛋白質はPAD type IVの基質となり得ることを明らかにすると共に、自己抗体産生にPAD type IVによるU1-70K蛋白質中のアルギニン残基のシトルリン化が重要だということを裏付ける重要な足がかりを得ることが出来た。
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