研究課題/領域番号 |
16580102
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食品科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
菅原 卓也 愛媛大学, 農学部, 助教授 (00263963)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 発酵乳 / 免疫調節 / 抗体産生 / サイトカイン産生 / 牛乳 / プロテオースペプトン / アレルギー抑制 / 抗ガン活性 |
研究概要 |
無脂肪牛乳を12種類の乳酸菌、酵母等の発酵微生物で発酵して得られた複合発酵乳を50,000rpm、30minの条件で遠心して得られた上清画分を10mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)に対して透析したものをサンプルとし、ヒト培養細胞を用いて生理活性を評価した。その結果、ヒト型ハイブリドーマHB4C5細胞のIgM産生を3.3倍促進し、ヒト末梢血リンパ球のIgMとIgGの産生をそれぞれ2.8倍、5.4倍促進した。また、ヒト末梢血リンパ球のインターフェロンγ産生を6.0倍促進した。精製、および部分アミノ酸配列相同性検索の結果、活性因子はプロテオースペプトンコンポーネント3(PP3)の部分断片物であることが確認された。また、無脂肪乳に含まれるフルサイズのPP3にも促進活性があることが確認された。PP3の生理活性については未だ報告がなく、本研究によりPP3の生理機能が世界で初めて明らかとなった。PP3の抗体産生促進効果について、作用機構を検討した。HB4C5細胞のIgMをコードするmRNAの転写促進活性に対するPP3効果を検討した結果、転写活性には影響を及ぼさないことが確認された。また、タンパク質合成阻害剤であるアクチノマイシンDで処理することで転写活性を阻害したHB4C5細胞に対しても促進効果を示したことから、PP3は翻訳活性を促進することにより抗体産生を促進している可能性が示唆された。 さらに、プロテオースペプトンのその他の生理効果を検討した。その結果、マウス大腸ガン細胞株Colon-26、ヒト乳ガン細胞株MCF-7の細胞増殖を濃度依存的に抑制した。また、ヒト骨髄腫細胞株U266細胞に対するIgE産生抑制効果を検討した結果、濃度依存的な産生抑制効果が確認された。このことから、プロテオースペプトンにはアレルギー抑制効果が期待できることが示唆された。
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