研究課題/領域番号 |
16580145
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
良永 知義 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (20345185)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 海産白点虫 / Cryptocaryon irritans / 人工培養 / 寄生虫 / 魚病学 / せん毛虫 / in vitro culture / 培養 / 魚類培養細胞 / 繊毛虫 / 海産魚 / In vitro culture |
研究概要 |
海産白点虫Cryptocaryon irritansの人工培養法の開発を試み、有効な培養法の確立に成功した。培地としては、魚類培養細胞層の上に細胞培養用培地(ライボヴィッツL-15)、抗生物質(ペニシリン100iu/ml、ストレプトマイシン100ug/ml)、牛胎児血清(10%)を含んだアガロースゲル(アガロース0.22%)を重層した培地を用い、細胞層とゲル層の間に白点虫の感染期幼虫を挿入することで、虫体を寄生期に変態させることができた。虫体はこの培地内で徐々に数は減るものの、4日間で長径200um以上に成長することができた。これらの成長した虫体を海水に移すと、虫体は正常な発達を遂げ、シストを形成した後、細胞分裂を繰り返し、感染期幼虫を放出した。このことにより、C.irritansの生活環が初めて宿主無しに完結させることができた。 上記の人工培養法で成長させた虫体を海水中において得た感染期幼虫をブラックモリーに人工的に感染させたところ、約40%の虫体を回収することができた。この値は宿主を用いて得られた虫体の既報の回収率とほぼ同様であり、本培養法で得られた虫体は宿主に十分な感染能力を有することが示された。 本研究で開発した培養法を用いることで本虫を正常に発達させることはできたものの、出発材料としては依然として魚に感染させて得た虫体が必要である。将来のワクチン開発、薬剤開発のためには、今後人工培養系だけで虫体を培養・維持するための技術の開発を進める必要が必要である。
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