研究課題/領域番号 |
16580169
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産化学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
手島 新一 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (70041704)
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研究分担者 |
越塩 俊介 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (60186666)
石川 学 鹿児島大学, 水産学部, 助手 (60284915)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | アミノ酸 / 遅溶性 / クルマエビ / 補足効果 / Marsupenaeus |
研究概要 |
魚類と異なり、クルマエビの場合は、投餌して摂餌するまでに時間がかかり、飼料中の水溶性の栄養成分は水中へ溶出し、アミノ酸組成に欠陥がある植物性タンパク質の栄養価を改善するために、飼料中に結晶アミノ酸を補足しても著しい効果は認められない。本研究では、クルマエビについて、価格が安く、環境にやさしい飼料(環境負荷軽減型飼料)を開発する一環として、大豆タンパク質などの安価なタンパク質源に不足する必須アミノ酸を効果的に補足する方法を検討し、さらに2、3の必須アミノ酸要求量を決定しようとした。 飼料に結晶アミノ酸をそのまま補足しても、添加効果は得られないので、まず、水中に溶出しにくいアミノ酸(遅溶性結晶アミノ酸:LRA)の作製を試みた。種々の試行錯誤の結果、寒天あるいはカルボキシメチルセルロースーカゼインなどを用いて、前もって結晶アミノ酸をコーチング処理し、飼料に添加すれば、結晶アミノ酸の水中への溶出を遅延することできることがわかった。次に、このようにして調製したLRAは、稚エビに対して高い栄養価を有することを飼育実験によって証明した。なお、飼育試験における餌料効果は、増重率、飼料効率などの他、飼料及び体組織の生化学的分析によって評価した。また、クルマエビ幼生(ゾェア〜ポストラーバーに至る期間)用の微粒子飼料においても、LRAは窒素源として有効に利用されることを明らかにした。これらの結果は、LRAを用いれば、まだ不明であるクルマエビの必須アミノ酸の要求量の決定が可能であることを示唆した。本研究では、LRA調製の技術を用いて、コーチング処理した単品の結晶アミノ酸を用いて、クルマエビのアルギニン、メチオニンおよびリシンの要求量(飼料中の至適含量)を明らかにした。クルマエビが、何故、コーチング処理しない結晶アミノ酸を利用できないかを検討するためにトレーサー実験を行った。その結果、飼料中に補足結晶アミノ酸(アルギニン)の添加量が増加すると、体タンパク質への取込みが低下することがわかった。
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