研究課題/領域番号 |
16580175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
青柳 斉 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30184055)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 米マーケティング / 製品差別化 / 品質評価 / サプライ・チェーンマネジメント / 農業協同組合 / 産地マーケティング / 農協共販 / コメ流通 / 産物マーケティング / 農産物マーケティング |
研究概要 |
農協コメ共販におけるサプライチェーンの展開とその背景について、3年間の実態調査から次のようなことが明らにされた。まず、米の農協マーケティングの展開は、外食産業の消費増や消費者の米需要の多様化によって促進されている。そのため、米の主産地では、業者の多様なニーズに即応できる集荷・販売方式や、多様な価格帯に対応した販売政策の導入がマーケティングの手法として重要になってきた。但し、農協マーケティングの展開形態は、産地の立地条件や直面している市場条件の特徴によって異なる。新潟県の魚沼みなみ農協の場合では、専任の営業担当者を配置して、有機米等の独自販売を拡大している。そして、高級銘柄米としての品質保証のために、品質評価にもとづいて生産者に栽培改善を指導している。但し、品質評価に基づく区分集荷や生産者に対する報奨制度は導入していない。その理由は、当農協のマーケティング戦略が、高級銘柄米「魚沼コシヒカリ」を主食ではなく特産物として安定的な販路を拡大することにある。 他方、系統農協の「需要に応じた米生産」の方針は、農協のマーケティング活動において、次の課題への対応を迫っている。1つは、実需者の用途・価格帯・品質別の製品ニーズへの対応である。2つは、価格・供給量・品質に関する実需側の安定的な取引要求への対応である。3つ目は、農協側の製品差別化による実需者への積極的な提案である。北海道のながぬま農協といわみざわ農協はその先進事例である。そこでは、米のマーケティングの展開において、産地の宣伝や販路の開拓、低価格販売に加えて、産地全体の品質向上や品位・品種の区分集荷と品揃えなどの「製品差別化」が米共販の戦略的課題になっている。また、農協による産地統制ないし生産者の個別管理が強まっている。これらの動きは、農協コメ共販におけるサプラィチェーン・マネジメントの展開と見なすことできる。
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