研究課題
基盤研究(C)
WTOにおける農業交渉が紛糾する中、二国間ないし複数国間で自由貿易地域(FTA)を形成する動きが活発化している。農産物が、センシティブな部門として交渉における焦点となり、貿易自由化がもたらす影響を評価することが急務となっている。しかし、実際に締結されつつあるFTA・EPAでは、特に重要とされる農産物がセンシティブ品目として自由化の坪外におかれ、関税割当と実質的に同じ制度が、相手国を限定して採用されるケースが多い。本研究の目的は、研究代表者がわが国農業諸施策を評価するために適用を試みている政策評価マトリックス(PEM)と呼ばれる分析ツールによる定量的な影響評価にある。平成16年度には、バーナー流の部分均衡分析によるFTAの影響評価のための分析枠組みを理論的に検討し、タイを協定相手国としてわが国が砂糖に関する差別的な関税撤廃を行う場合を想定した影響などを考察した。平成17年度には、これらの成果を科学研究費補助金・研究成果促進費により出版・公表した。平成18年度には、TRQの影響を定量的に把握する従来の分析モデルの問題点を改善する新たな分析枠組みの構築を図った。考察の結果、TRQの影響は、枠内税率の輸入割り当てがいかなる制度的枠組みよって行われるかが決定的な役割を果たし、かりにわが国で見られる国家貿易によらない自由参加形式の割り当てが行われる場合には、従来の分析枠組みでは輸入量が皆無と予測された比較的高い2次税率のもとでも一定程度の輸入が行われる可能性のあることを明らかにした。
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