研究課題
基盤研究(C)
1.インドの中でもタミルナドゥ州は地下水の過剰利用が問題となっている。コインバトー郡では、硬い岩盤のため深層地下水から水をくみ上げている。平均的な井戸の枯渇は49%にのぼる。灌概集約度は1992年の115.5%から2002年の103.7%に低下している。不確実性に伴うコストは、追加の井戸に投資する以前の農民平均収益の40%以上にのぼった。この様な状況の元では、流域活動への投資、地域的な井戸設置規則の設定、節水技術の導入、農民への教育等が岩盤地帯の井戸灌概を持続させるために求められる。2.インドの農業は気象、特に降水量の変動に大きく影響を受ける。歴史的に社会の干ばつや洪水への対処能力は地域的に試されてきており、社会は気候の変動にレジリアンスを持つ様に適応してきた。脆弱性の社会経済的な観点から、地域の発展段階およびさらに発展する能力を計る指標に焦点を当てた。Anand and Sen(1994)によって人間開発指標(Human Development Index:HDI)を計算するために開発された脆弱性指標の方法を基本とし、タミルナドゥ州の異なる農業気候地域で1980-2001年までの3期間の指標を7地域で比較した結果、高降水量地域が一番脆弱性が高いことが明らかになった。脆弱性指標は、脆弱性をモニターし、脆弱性を低下させるための対策を開発し、優先順位を考え、またそれらの対策の効果を検討する際に潜在的に有効な方法であろう。3.水配分システムを「社会的最適化」、「競争的配分制度」、「水管理組合」、「生産者寡占」、「分配寡占」の各レジームを社会的厚生について比較した。「競争的配分」レジームは「分配寡占」より優先するものの、両者は生産と要素の寡占に優越されていた。政策が範囲を拡大することが政策的に求められている場合には、「分配寡占」が適している。
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