研究課題/領域番号 |
16580194
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 独立行政法人農業技術研究機構 |
研究代表者 |
林 清忠 農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・環境影響評価研究チーム, チーム長 (40355475)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,150千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 園芸生産 / 環境負荷 / 統合的評価 / ライフサイクルアセスメント / 環境影響評価 / 多基準評価 |
研究概要 |
持続可能な園芸生産システムの構築を意図して、農業と環境の相互作用の全体像を視野に入れた統合的評価手法の確立を試みた。施設トマト生産(土耕栽培および養液土耕栽培)を対象とし、統合的評価モデルの構築、環境負荷に関するデータの収集・作成・園芸生産におけるシステムデザインの可能性の検討等を行った。 まず、ライフサイクルアセスメント(LCA)の問題比較型の方法と害算定型の方法を実施し、分析結果に基づいて、統合的評価における環境影響の網羅性、統合化の程度と不確実性の関係、指標開発と意思決定支援の関係等を検討した。また、これらの方法を拡張し、経済性の最大化と環境影響の最小化の観点から、適切な管理水準(施肥の農薬散布の望ましい水準等)がどのように決定できるかを検討した。その結果、環境効率の考え方を用いて、単位生産物(あるいは単位所得)当たりの環境影響を最小化する方法と、経済性の最大化と環境影響の最小化を同時に考慮する多目的最適化を用いる方法があることが示された。両者の比較の結果、得られる解は両者の間で異なり得ること、後者の視点からみた場合、前者には暗黙裏の選好があると言えること、経済性と環境影響のトレードオフを理解するためには後者の方法が不可欠であること等が明らかとなった。これらの分析のため、施肥や薬剤散布を中心にデータを収集するとともに、インベントリデータベース化、影響評価系数の算出等を実施した。 さらに、システムデザインの観点から、ライフサイクル環境影響評価手法、ライフサイクルマネジメント等に検討を加え、政策立案等に関わる意思決定支援の可能性を検討した。その結果、農業環境問題のように評価対象が複雑である場合には、人間には初めから選好(価値判断)が備わっているのではなく、問題との相互作用の中で選好が構成されると考える構成的方法によってより妥当な意思決定支援が可能となるであろうことが示された。
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