研究概要 |
本研究では,サトウキビを基幹作物として栽培している奄美諸島においてサトウキビ用収穫機を利用して木質系バイオマスを栽培,収穫するシステムを構築することを目的としている. 1.亜熱帯地域に適した早生樹種に関する検討 沖縄県から東南アジアに分布するアカギという樹種について,生長量などについて調査したところ,年平均生長量は17.66m^3で,容積密度は0.42であったことからバイオマス生長量に換算すると7.3t/ha/年の生産力であった.このように他の樹種に比較して極めて成長が早いという特徴があることが判明した. 2.アカギの切断特性に関する基礎データの収集 既存のサトウキビ収穫機を基本としてできるだけ少ない改造・部品交換などの処置により,アカギの収穫に使用できるようにするには,刈刃部の性能が最も重要と考えられる.そこで,サトウキビ収穫機で使用されている刈刃を用いて切断抵抗を測定した.切断条件として,切断角を0°と30°の2種類について行った.また,切断特性を比較するため,サトウキビサンプルについても切断抵抗を測定した.その結果,いずれの切断角度においてもアカギは,サトウキビよりも大きな切断応力となっていたが,切断角度30°の場合には,0°の場合のサトウキビ切断応力よりも小さくなり,大きな切断応力の減少効果が得られた.このように,既存の収穫機械を若干改造すればアカギを切断可能との見込みが得られた.
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