研究課題/領域番号 |
16580253
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
岡田 利也 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (00169111)
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研究分担者 |
向本 雅郁 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教授 (80231629)
松山 聡 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教授 (10254442)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 疾患モデル動物 / 皮質型白内障 / 遺伝解析 / FGF / TGF-β / PCR-RFLP / 行動解析 / ddY系マウス / 白内障 / EGF |
研究概要 |
本研究ではddY系マウスに新たに発見された遺伝性白内障の特性を明らかにし、新しい疾患モデル動物として確立することを目的とした。はじめに、遺伝様式を調べた。白内障の肉眼的発症時期は6〜8週齢、発症率は100%、常染色体劣性遺伝であった。組織学的変化は生後3週齢より観察され、FGFとTGF-βの発現増加が白内障の発症に関与することがわかった。次に、水晶体蛋白の発現の変化を調べるため、発症個体ならびに正常個体の水晶体蛋白の泳動を行った。発症個体で減少していた28kDa付近の蛋白のアミノ酸配列を調べたところ、β-crystallin B1であった。行動解析では、オープンフィールドテスト初日における発症個体の移動区画数および立ち上がり数に有意な増加が見られた以外著しい差は認められなかった。続いて原因遺伝子の存在する染色体を明らかにするため、日本産野生マウス(MSM/Ms)との戻し交配世代の発症個体ついて連鎖解析を行った。第2染色体上のマイクロサテライトマーカーD2Jpk4が白内障原因遺伝子と強く連鎖していることが明らかになった。さらに、原因遺伝子の第2染色体上での位置を明らかにするために、戻し交配世代の発症個体332例の連鎖解析より、原因遺伝子はD2Mit515及びD2Mit467〜Mrrfの1.21cMの領域に位置していることがわかった。この領域に存在する4932702F08Rik及びNADH dehydrogenase 1α subcomplex,8遺伝子のmRNAの発現の差をPCR-RFLP法によって調べたが、ddY系白内障マウスとddY系正常マウスで差は認められなかった。白内障原因遺伝子の存在する領域はヒト第9染色体上q33.2の領域に相当し、原因遺伝子の解明によりヒトでの相同遺伝子を特定することができると考えられ、ヒトの皮質型白内障モデルとして役立つことが示唆された。
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