研究課題
基盤研究(C)
1.SPFビーグル犬2匹に日本のヤマトマダニから分離され、単球性エーリキア症を起こすEhrlichia canisおよびE.chaffeensisに近縁のEhrlichia HF565を接種した。接種後約1ヶ月観察を続けたが、発熱、血小板減少等の臨床症状は認められなかった。また、末梢血白血球、剖検後の肝・脾由来のDNAを鋳型として行なったPCRも陰性であった。これらの結果から、HF565はイヌに病原性を示さず、感染も成立しないことが示唆された。2.ラットにHF565を接種したところ、マウスのように立毛、元気消失等の臨床症状や肝細胞壊死といった病理的変化は見られず、接種後4週たっても生存していた。接種後1週のラットでは軽度の肝細胞壊死、肝小葉へのリンパ系細胞の浸潤といった病理的変化が認められた。また、血管内皮細胞を中心に多数のEhrlichia封入体が認められた。肝、脾、腎、肺由来のDNAを用いたPCRは全例ではないものの、多くで陽性であった。病変は接種後4週までに軽減し、菌は排除される可能性が示された。また、実験期間中、末梢血中にHF565は検出されず、ラットの野外でのレゼルボアの可能性は低いものと考えられる。3.E.canis感染犬での免疫応答について調べるため末梢血単核球中のサイトカインmRNAの発現をRT-PCRで調べた。IFN-γおよびTNF-α mRNAが感染初期から感染後約2ヶ月間、持続的に発現した。そのうち、IFN-γはE.canis感染に伴い末梢血単核球から産生されろこと、ならびにE.canisの増殖を抑制することが試験管内で確認された。このことより、IFN-γが感染免疫において重要な役割を果たすことが示唆された。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (7件)
Appl.Environ.Microbiol. 72,2
ページ: 1102-1109
Vaccine 24,
ページ: 2230-2237
Appl.Environ.Microbiol. 72
Vaccine 24
Appl.Env.Micobiol. 72
Ann.N.Y.Acad.Sci. 1063
ページ: 429-432