研究課題/領域番号 |
16580262
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床獣医学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
田浦 保穂 (田浦 保穗) 山口大学, 農学部, 教授 (80163153)
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研究分担者 |
中市 統三 山口大学, 農学部, 助教授 (60243630)
宇根 智 山口大学, 農学部, 助教授 (60294659)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 犬 / -80℃ / 自己血輸血 / ヒドロキシエチルスターチ(HES) / 赤血球 / 凍結保存 / 臨床獣医 / 凍結保護剤 |
研究概要 |
犬の赤血球凍結について本研究では、-196℃法と2ステップ(-196℃→-80℃)法の効果について実験した。凍結保護剤にはヒドロキシエチルスターチ(HES)とグリセロール(GL)を用いた。2ステップ法では、凍結バッグを、まず-196℃の液体窒素内で急速凍結し、その後-80℃のディープフリーザーに移し3ヵ月間保存した。HES群の赤血球は解凍後非洗浄で自己輸血し、副作用等をチェックした。 本研究の結果 (1)in vivoで-196℃液体窒素でHES保存血を用いた自己輸血ではGlycerolと比較して輸血反応が少なかったが、液体窒素での保存はコストや使用管理面から問題が残った。 (2)-196℃で急速冷却後に-80℃超低温フリーザーに移すin vitroの実験を行った結果、ヘモグロビン回収率、浸透圧脆弱試験はともにGlycerol群よりもHES群の方が良好であった。 (3)保存期間による影響をみた結果、24時間1カ月、2カ月、3カ月保存血群のHb回収率、浸透圧脆弱試験での50%溶血食塩濃度、走査電子顕微鏡観察による赤血球の形態的分類ではそれぞれの保存期間と非凍結間に有意差は認められなかった。 (4)本2ステップ法をin vivoに応用するために正常ビーグル犬を用い、-80℃凍結保存血の自己輸血を行い、輸血後の副作用の発現について検討した結果、HES保存血投与群の回収率は90.5±0.01%と高かったが、輸血直後と2時間後の血中の血色素およびビリルビン濃度、さらに尿中ビリルビンの一過性の上昇が認められた。しかし、輸血24時間後の血色素およびビリルビンは血中と尿中において投与前と同程度までに回復した。その他の赤血球数、白血球数、体温や心拍数などは、Control群(24時間液状4℃保存洗浄後投与)と有意差は認められなかった。 以上、本研究から2ステップによる-80℃でのHES保存血液を用いた犬の自己輸血の安全性が示唆された。
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