研究課題/領域番号 |
16580263
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床獣医学
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研究機関 | 宮崎大学 (2005) 鹿児島大学 (2004) |
研究代表者 |
上村 俊一 宮崎大学, 農学部, 教授 (90233949)
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研究分担者 |
浜名 克己 鹿児島大学, 農学部, 教授 (30011977)
高木 光博 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (40271746)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 黒毛和種牛 / ホルスタイン乳牛 / 発情同期化 / オブシンク処置 / プロジェステロン製剤 / 早期妊娠診断 / 定時人工授精 / 再同期化 / 黒毛和種 / プレシンク処置 / CIDR / 発情同期化率 |
研究概要 |
分娩後の繁殖機能の回復を目的としてホルモン製剤による卵巣機能賦活、早期妊娠診断、非妊娠牛に対する再同期化を行った。これらの発情同期化法は、いずれも欧米に比べ飼養規模の小さい日本型の畜産にあう処置を行った。 黒毛和種牛(n=50)に対する卵巣賦活として、分娩後30日にフレッシュチェックにより生殖器を診断し、黄体があればプロスタグランジンF_<2α>(PGF_<2α>)、黄体が無ければ性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)を投与した。7日後に膣内挿入プロジェステロン製剤(PRID、CIDR)を挿入し、7-9日後に除去し、除去時にPGF_<2α>を投与した。24時間後にエストラジオール(E_2)あるいは48時間後にGnRHを投与し、16-20時間後に定時人工授精(AI)をいった。AI後10日に、卵巣の黄体により同期化を診断し、28日後に超音波検査法による早期妊娠診断を行った。ホルスタイン乳牛(n=40)では、同様にフレッシュチェックの後、2週後に卵巣の黄体の有無による前処置を行い、その7日後にPRIDやCIDRを挿入した。 その結果、フレッシュチェック時の卵巣では黄体の存在割合は黒毛和種牛35-50%、乳牛45-70%で牛群により変動が見られた。PRIDやCIDR除去後、定時AIは97.5%で実施され、10日後の黄体は90-95%に見られ、品種による違いは見られず、発情同期化が実施できた。早期妊娠診断による受胎率は、黒毛和種で35-60%、乳牛で27-53%と変動があり、GnRH処置がE_2処置より高い傾向にあった。 早期妊娠診断で非妊娠となった牛の卵巣所見は、黄体期46%、発情後期15%、発情前期22%、卵巣嚢腫14%、卵巣静止3%であった。そこで、黄体のあるものにはPGF_<2α>投与、黄体の無いものや卵巣嚢腫にはCIDRを挿入し、再同期化を行った。その結果、処置後1週間以内に発情が発現し、AIを実施したところ、受胎率は40%であった。これを無処置の対照と比較すると、受胎率には差は無いものの、再AIの時期が処置群では初回AI後31.2日、対照群では56日と差が見られた。 今回の結果、牛群の妊娠率向上のためには、まず分娩後速やかな生殖器の修復と卵巣機能の回復を行う。そして、確実な発情発見を行い、発情周期を人為的に調節する発情同期化や定時AIを行う。その後、早期に妊娠診断を実施し、非妊娠牛に対しては再同期化によるAIの実施が重要である。
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