研究課題/領域番号 |
16580265
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床獣医学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
川手 憲俊 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教授 (80221901)
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研究分担者 |
玉田 尋通 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10155252)
稲葉 俊夫 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (00137241)
喜田 加世子 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助手 (50405362)
澤田 勉 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (60081600)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 潜在精巣 / イヌ / ウシ / LH受容体 / 遺伝子多型 / DNA / 遺伝子診断 / cDNA / 遺伝子変異 |
研究概要 |
本研究では、イヌ精巣由来の黄体形成ホルモン(LH)受容体cDNAの塩基配列を決定するとともに、潜在精巣に罹患したイヌおよびウシにおけるLH受容体遺伝子の塩基配列を解析し、正常動物との比較を行った。 正常犬の精巣由来RNAから、LH受容体cDNAの5'側の一部を除く2123bpをクローニングした。その過程で、正常犬および潜在精巣罹患犬において、細胞外領域のアミノ酸25個の欠失したスプライスバリアントを見い出した。イヌの同受容体cDNAの終止コドンまでの塩基配列は、ブタ、ウシおよびヒトとの間にそれぞれ91.9%、91.7%および90.3%の相同性がみられた。 正常犬(n=46)、潜在精巣罹患犬(n=45)、正常牛(n=3)および潜在精巣罹患牛(n=9)の精巣組織あるいは血液からRNAもしくはゲノムDNAを抽出した。RT-PCR法あるいはPCR法により、LH受容体遺伝子の一部を増幅し、塩基配列を比較した。 イヌのLH受容体遺伝子の1137番目の塩基については、C、T、C/Tの3種の多型がみられ、1194番目の塩基についてはA、G、A/Gの3種の多型がみられたが、正常例と潜在精巣例の間には各多型の割合の顕著な差はみられなかった。しかし、1194番目の腹腔内停留例のAの割合は、正常例および鼠径部停留例に比べて有意に低い値を示した。同受容体遺伝子1137番目および1194番目の塩基の組み合わせ(ハプロタイプ)はT-G、C-A、C-G、T/C-A/G、T/C-GおよびC-A/Gの6種がみられたが、腹腔内停留例のC・Aの割合は、正常例および鼠径部停留例に比べて有意に低い値を示した。ウシのLH受容体遺伝子の703番目の塩基については、A (Lys)、C (Gln)、A/C (Lys/Gln)の3種の多型がみられたが、正常例と潜在精巣例の間に各多型の割合の顕著な差はみられなかった。 本研究により、正常犬の精巣由来RNAから、5'側の一部を除くLH受容体cDNA (2123bp)をクローニングできた。クローニング完了部位において、他の動物種では報告されていない新しい種類のスプライスバリアントの存在が明らかとなった。潜在精巣犬の腹腔内停留例におけるLH受容体遺伝子膜貫通領域2ヵ所の一塩基多型の比率は正常例および鼠径部停留例とは異なる可能性が示唆された。
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