研究課題/領域番号 |
16580266
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床獣医学
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
及川 伸 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (40295895)
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研究分担者 |
遠藤 大二 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (40168828)
竹花 一成 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (80137413)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | アポトーシス / ウシ / 脂肪肝 / 制限給仕 / 移行期 / コメット法 / 実験的脂肪肝 / 乳牛 / 絶食 |
研究概要 |
ウシの脂肪肝は、分娩前後の負のエネルギーバランスによって招来され、周産期疾病におけるプライマリーな病変となり、その発生に密接に関与することが知られている。したがって、周産期疾病の制御を考えるにあたり、本病態を明確にして行くことは必然と言える。今回の試験では、実験的脂肪肝モデルとして、成雌牛に4日間の制限給仕を実施して、肝臓の脂肪化に伴う肝細胞のアポトーシスを評価した(実験1)。また、通常の飼育下の臨床的健康牛において、分娩前から分娩後にかけての移行期における肝細胞のアポトーシスの誘導を精査した(実験2)。得られた成績は以下のとおりであった。 実験1: 1.制限給仕によって、肝中のトリグリセライド(TG)含量が明らかに増加し、脂肪化が誘導された。 2.コメット法により、肝の脂肪化に伴い、肝細胞DNAの断片化が示された。さらに、アポトーシスの関連酵素に対する抗体を用いた免疫染色法において、肝細胞にアポトーシスの誘導が確認された。 3.超微形態学的な検索でアポトーシス小体も確認された。 実験2: 1.分娩後3目と21日の肝中TG含量は、分娩前のそれと比較して2倍以上に増加した(脂肪肝)。 2.コメット法により、肝細胞DNAの断片化が分娩後3日から21日にかけて漸増した。また、免疫染色法(前述)でアポトーシスが確認された。 3.実験1と同様にアポトーシス小体も認められた。 4.肝中TG含量と肝細胞のDNAの断片化との間に有意な正の相関(r=0.68)が得られた 以上より、実験的脂肪肝および通常の分娩に伴ってアポトーシスが誘導されることが初めて示された。この現象は、肝臓における生体制御と考えられた。今後は、このアポトーシスのトリガーについて鋭意研究を進めて行きたいと考えている。
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